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少し歩くと街の門が見えてきた。
「そういえば、リズって人前に姿を現してるんだね」
「姿を現してるといっても人の姿ですし、正体を明かしたとしても記憶は消してますから扱いは普通の人と変わらないですよ」
門の入り口についた門の前では鎧を着た人が何かを受け取っている
「ここでは身分証を見せないといけないんですよ、持ってない人は持っている人の紹介で仮の身分証をもらえますよ」
まるで心を読んだかのようなタイミングでリズが説明してくれた。
「じゃあ、今回僕はリズの紹介ではいることになるんだね」
「そういえばお父様、私がいなかった場合どうやって街に入るつもりだったんですか?」
「全く考えてなかったよ」
もしリズと会えなかったら街に入る人に頼んで同行するか勝手に入ってばれないように観光するかしかなかったなぁ
「この街っていつも人が多いのかいこんなに人がいると今日中に街に入れない人もいるんじゃないの?」
「そういう人もいますよそういう人は野宿ですね食料などは提供されますよあと簡易テントなんかも一緒に」
「ふ~んそうなんだね、そろそろ僕たちの番みたいだよ」
リズのおかげで難なく入ることができたけど
「この仮の身分証ってどうやったら仮じゃなくなるのかな?」
「身分証ならこの町で一週間問題を起こさなかったら本来の身分証がもらえますよくれぐれも問題を起こさないでくださいよお父様」
「わかってるよ」
「そういえば、今日の宿とかご飯とかどうするつもりなんですか?」
「何にも考えてなかったよ、あはは」
「笑い事じゃありませんよ、まぁ予想はしてましたけどしょうがないので一週間分の宿代と食費は渡しますけど無駄使いしないでくださいね。この世界を管理する神といってもお金を自由に出しては少なからず影響が出るんですから」
「わかってるよ、今日は宿をとって寝ることにするよリズはどうするの」
「私はこの後お父様が使った魔法のせいで消費した空気中の魔力を戻す作業をします。明日には終わらすのでそのあとは一緒に観光しましょうね。」
「迷惑かけちゃってごめんねこのお詫びはいつかするよ」
「期待しないで待ってます、ではおやすみなさい」
「またねー」
リズと別れ今日泊まれる宿を探しはじめる。
あたりを見回しながら歩いていると後ろから声をかけられた。
「ねぇ、宿を探してたりする?」
振り向くとそこには12歳くらいの女の子が立っていた。
「どちら様かな?」
「私はあそこに見える白い屋根の宿に住んでるメイあなたの名前は?」
「僕の名前かい?、名乗るような名は持ち合わせてないんだよそうだねじゃあミカとでも呼んでよ」
「ミカ君ね、それでこんなところできょろきょろしてるってことは宿を探してるんでしょううちに来なよ」
そう言って手を引かれ宿に連れていかれる。