3
「洞窟の中に入る前に準備はしないとな、と言っても準備するものもないか。」
そう呟きながら洞窟に入っていく。
先に進んでいくとあたりが暗くなってくる。
(明かりを用意しないとな)
そう思い「ライト」と唱える。すると目の前に拳くらいの大きさの光が現れた。
(これで先に進める)
そう思いまた先に進み始める。
進み始めて時間が少し経つが、まだ先が見えない(まだ奥につかないのかほかの生物がいる気配もないし)そんなことを考えながら歩いているとふとイヴの言葉を思い出した。
「確かイヴは魔法を使う生物がいると話していたなぁ、少し試してみるか」
そう言った後「ディスペル」と唱える。すると周りの景色が歪みだし先程まで見ていた真っ暗な洞窟ではなく少し周りが見えるくらいには明るくなっていた。それと同時に頭痛が起こる。
「くっ、周囲5キロメートルにある魔法をすべて消すのは、制限がかかったこの体ではぎりぎりだったかな」
そう言いその場に座り込み頭痛に耐える。頭痛は数秒で収まった。(次は加減して使わないとからだがもたないな)そう思いながら立ち上がった。
「やはり予想通りだったな、魔法で景色をゆがませて同じ場所をさまよわせているのだろう。イヴにいい土産話ができたな、この話をしたときどんな顔をするかな」そんなことを考えていると洞窟の奥から赤い目をした白い大きな蛇のような生物が出てきた。その赤い目がこちらを睨んでいる