第八章 告白
翌日、学校に行くと白崎が俺にしつこく謝ってきた。
正直うっといしい。
そんなわけで、俺は一日中イライラしていた。
だが、放課後にそんなイライラの事なんて忘れてしまうほどの出来事が起きた。
放課後、俺は日直だったので教室に一人で残っていた。
もう帰ろうと思って荷物をまとめていると、誰かが教室に入ってきた気配がしたので後ろに振り向くと、夏姫が立っていた。
なんか緊張してきた。
俺ってなんか可愛い女の子の前で堂々と喋れないんだよなぁ。
「どうかしたのか?」
「いや、あ、あの出来れば私と……付き合ってください。前から一真くんのことが好きだったの」
「?えっ?夏姫は拓海と付き合ってたんじゃないの?」
「もう別れました」
「そうだったのか。何で拓海と別れたんだ?」
「別に好きじゃなかったの拓海君のこと。ただ、冗談で告ったらオッケーもらえたから仕方がなく付き合うことにした」
「そうだったのか。ちょっとだけ時間をくれないか?返事は一週間後でもいいか?」
「う、うん。いつまでも待つわ」
そう言うと、夏姫はさっさと教室を出ていった。
夏姫にはああは言ったけど、これからどうすればいいんだ?
俺は今、白崎と付き合っている。
しかも、夏姫は俺が本当に好きな人だ。
白崎に何で冗談なんかで告ったんだろ。
俺が、あんなことをしなければ今頃夏姫と一緒に帰ることが出来たというのに。
でも、今はそんなことを思っている暇などない。
この問題を解決出来ないと、前には進めない。
でも、一旦家に帰るか。
家に帰ると、自分の部屋に引き篭もった。
今俺は複雑な気持ちだ。
好きな人に告ってもらえた嬉しさと、これからどうすればいいのか分からないという不安な気持ちが頭の中で、グルグル回ってモヤモヤする。
集中するために目を閉じていると、いつの間にか寝ていたようだ。
すっかり外が暗くなっている。
俺は寝起きの方が頭が働くのかもしれない。
新たなる問題点が浮上した。
それは……夏姫に告られたせいで前よりかも拓海に話しかけずらくなったということだ。
拓海に相談しようと思っていたのに。
これじゃあ出来ないではないか。
拓海が、夏姫が俺に告ったということを知らなくても俺が緊張してしまう。
俺に、すごい重みのある脱力感が襲ってきた。
なので、今日はもう寝ることにした。
はいどうも、漆黒の帝王です。
今回も読んでいただきありがとうございます。
これからも頑張るので応援よろしくお願いします!