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第三十五章 それから色々ありまして......

 その日の俺の原動力は、人生の中で稀に見るほどのものだった。

目に付く乗り物は片っ端から乗ってみたし、それでいてしっかりと楽しんだ。

ちゃんとデートできたことに、安堵を覚える。


「今日は白崎の役に立てたかな?」


眼下......吹奏に合わせて練り歩いているはずのパレードに目を向けながら、呟く。

ムーディな照明の観覧車、その中。

向かいに座った白崎は夜景に向けていた視線を戻し、微笑んで見せた。


「もちろんですよ。すごく助かったわ」

「それは何より」


常なら御免の感情、苦労も、そこに白崎が関わっているのなら楽しめる。

バカップルと貶されるのももはや慣れた、と言うか、最近はそう言われることを喜んでいる自分がいる。

相当に重症だ......それでも、まあ、楽しいからいいのだが。


白崎の隣に腰かける。


髪を伸ばして、ぐっと大人っぽくなった。

顔立ちも洗練されて、今では化粧もしている。

女性としての完成度は、前よりも高い。


「俺の中では、白崎はずっと一番なんだよ。もっと綺麗になっても、お婆さんになっても、いきなり過去に戻ったとしても、俺は白崎のことが一番好きなんだ。だから、今も昔もこれからも、きっと変わらないんだと思う。きっと、凄く嘘っぽく聞こえると思うけれど......これが、俺の本心」

「口説き上手ですね?一真」

「白崎をいまさら口説いたりするもんか。だって、白崎が俺のこと愛してくれtるって解かるから」

「......紗弥にこの前言われたんですけど、私達って『バカップル』なんでしょうか?」

「俺からすれば、これくらいするのは普通だと思うんだけど、紗弥とか世間の人の基準からするとそうなるんだろうね」

「何か。馬鹿にされてるみたいで、少し複雑です」

「まぁ、馬鹿って単語が入ってるんだから、少なからずそういう風に思われてるってことなんだと思うけど」


紗弥以外にも結構俺たちの関係がばれていた。

紗弥に限らず、白崎と自分の関係をしる知り合いには、一度はその単語を言われたことがある。

皆に俺たちを馬鹿にしたような雰囲気はなかったが、だからと言って、何度も呼ばれてみたいとは思わない。

馬鹿にされてはいなくても、やはり照れくさい。


「じゃあ、紗弥には今度少し反省してもらわないといけないわね」

「そこまですることはないと思うよ。紗弥にも悪気は......」


完全にないとは言い切れない。


「ほら、一真だってそう思ってるじゃない」

「いや......確かにないとは言い切れないけどさ、紗弥だって白崎のこと嫌いな訳じゃなくてだね」

「そんなこと解かってます。ふぁからこそ、調子に乗った時にはしっかりと怒らないと駄目なんです」


ぷりぷりと怒るその姿は、白崎には申し訳ないが随分と可愛らしい。


白崎は変わったと思う。


彼女がその姿を見せるのは、親しい人間だけ。

それも、ここまでの仕草をするとなれば、自分くらいのはずだ。

白崎のこの子供っぽさを見れるのは、恋人である自分だけの特権だ。


「許してあげようよ」

「一真がそこまで言うなら、それでも構いませんけど」

「うん。そういう素直な白崎、大好きだよ」


よしよし、と頭を撫でてあげる。

子供のような扱いに白崎は不満なようだったが、その原始的な気持ちよさには勝てないのか、

心地良さそうに目を細めている。

その笑顔がとても魅力的だったせいなのか......。


俺はそっと、白崎の唇に自分のそれを重ねた。

はいどうも、漆黒の帝王です。

今回も読んでいただきありがとうございます!


最後の方は、最終回ぽかったですけど、まだ続きますからね!

乞うご期待!

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