第十五章 天使と悪魔と決心
俺の固い決心は教室に入った瞬間、バラバラと壊れていった。
なんと、紗弥が学校を風邪で休んでいたのだ。
俺の心の中には、『ラッキー』と喜んでいる自分と、『マジかよ、最悪』と悲しんでいる自分がいた。
決心したはずなのに……。
そして、今日もモヤモヤしながら六時間みっちり授業を受けた。
六時間目が終わり、やっと帰れると思った瞬間、俺の心の中に潜んでいる天使と悪魔の声が聞こえてきた。
天使『紗弥が休んでるんだから、お見舞いに行ったらいいんじゃないかな?』
悪魔『はぁ、こいつ正気か?一昨日あんなことを言ったばかりなのに……』
天使『それでも行くべきだよ』
悪魔『いいや、行くべきじゃぁない』
天使『行くべき』
悪魔『行くべきじゃぁない』
「あぁもうっ、うるさい」
おい、どうしてくれるんだよ。
教室にいた人全員こっち見てんじゃねぇか。
どちらにせよ、俺は紗弥の家に行くつもりはなかった。
行っても気まずくなるだけだし。
そうやって、俺はまた紗弥から逃げたのだった。
はいどうも、漆黒の帝王です。
今回も読んでいただきありがとうございます!
なんと、総合評価ポイントが100を超えました。イエーイ
これも、皆様のおかげです。
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