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絶対守護者の学園生活記  作者: 若鷺(わかさぎ)
第5章 学園~学内最強決定戦編~
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対策会議

「「我が友よ!」」


 ガシッ!っと効果音がつきそうなくらいの勢いで、大の大人の男二人が抱き合う。

 ただただキモかった。

 知ってるかい?この二人、英雄様と国王様なんだぜ?

 

 この前の襲撃から数日が経った。

 決勝戦は結局中止となり、あの現場を目撃していた生徒達には緘口令が敷かれた。無暗に国民に知れ渡ったら混乱するのが目に見えてるからな。学内最強決定戦が一般公開されるようなものでなかったのが幸いであった。

 当然、口止めをされた生徒達も混乱を見せていたが、皆にとっての憧れである英雄様の一声によって落ち着きを取り戻していた。

 そして国も諸々の対応に追われていたが、それも一旦落ち着きを見せたので俺と親父は国王様に呼び出された。恐らくは今後の対策を立てるのだろう。

 そしていざ謁見の間に入ったところで、誰得なシーンを見せられたのである。


「はぁ……」


 その光景に、俺達をここへ連れてきたアリスはまたかといった風に首を横に振っている。いつも会うとあんな感じなのね……。

アリスはその光景を見届けた後、退室していった。


「王様、さっさと本題に入らないか?」

「おう、そうだな。というかレオン。王様じゃなくてお義父様でもいいんだぞ?」

「……義父さん、早く本題に入れ」

「分かったぞ、我が義息よ」


 ああこのニヤニヤ顔、親父と同じ感じの笑い方だ。要するにうざい。


「さて、この前の襲撃者についてだが、実際に戦ったレオンから何か話しておくことはあるか?」


 ニヤニヤ顔をやめ、一瞬で真剣な顔付きになる王様。国を統べてる人なだけあって切り替えが早いな。

 俺から話しておくことか。


「そういえば、襲撃者の魔法は俺の知らない属性だった。禍々しいというか、色で表すなら黒かな?」

「……そうか。ダルク、これは」

「まあ確定だろうな」 

 

 思い当たる節があるのか。まあ俺も何となく予想はついているが。


「魔族だろ?」

「レオンも気付いたか」


 この前の野外実習の後に王様と魔族の生き残りがいるのではないかという話をした事を思い出し、もしかしたらと思った。二人の反応からして当たりだろうな。


「魔族だったとして、今回の襲撃の目的はなんだったんだ?」

「アリスを殺すことだって言ってたぞ」

「……ほう?」


 親父の疑問に答えると、王様が殺気を出しながら立ち上がる。


「気持ちは俺もよく分かるけど落ち着け!」

「……そうだな、話を続けよう」


 俺だって嫁を殺すって言われて怒りの感情はあるが、今は対策を考えなくてはいけない。


「なぜアリスを狙ったのか。これについては分かるかレオン」

「恐らく、戦力を削る為だろうな。こちらの士気を削る目的なら第二王女よりも第一王女や王子、王様を狙うはずだ。王様と王子は守りの堅い城にいるから狙いづらい。だったら学園に通っていてる第一王女を狙うのが得策のはずだ。だがアリスを狙った。その二人の違いは強さだ」

「なるほど、だから戦力を削る為と。たしかに、親の贔屓無しとしても、アリスは国のトップクラスの実力を持っている」

「ん?ちょっと待てレオン。それならお前だって狙われるんじゃないか?」


 そう、そこが気になっていた。

 自慢というわけではないが俺はアリスより強い。だったら俺を狙ってきてもおかしくないはずだ。

 ……ん?


「そもそも、相手はどうやってアリスの事を知ったんだ?」


 警備隊が目を光らせてる中で、魔族がウロウロ出来るとは思えない。それならアリスの情報はどうやって?そして俺の事はなぜ知らなかった?この前堂々と親父と決闘までしていたのに?

 これらを踏まえて考えてみると、一つの可能性が浮かび上がってきた。


「こちら側に内通者がいたのかもしれない。そして俺と親父の決闘より前に、その内通者は消えた」

「なるほどな」


 俺の意見に同意する親父。

 しかし、そうなると内通者はそれなりの地位にいることになる。一般人では集められる情報に限界があるからな。俺の事を知らない偉い奴か……。

 ……あの太った貴族様がいたな。あくまで推測だから決めつけるわけにはいかないが。


「ふむ、今考えられることはこれぐらいか。国としての対策としては情報収集と警備の更なる強化、新たにいるかもしれない内通者探しか」

「俺も流石に隠居とか言ってられないな。王都に移るか」

「俺は……何をすればいいんだ?」


 情報収集能力なんかは俺個人より国に任せた方がいいだろう。国の安全は警備隊と親父が守ってくれるはず。親父は加護の力による察知能力があるからな。それに俺も参加したいが学園がある。俺に出来ることとしたら何があるんだ?


「お前は嫁さん守ってろ」

「そうだな。アリスを、学園の皆を守ってやってくれ。」

 

 それは当然なんだが……


「お前気付いてないのか?推測だったが、もし本当に相手が戦力を削りにきてるとしたら、なぜそうする必要がある?」


 相手の戦力を削る、魔族側にとって強い力を持つものは排除しておきたかった。

 出来るだけ先に邪魔な芽は摘んでおく。そんなことが必要ということは……


「魔族が、攻めてくるっていうのか?」

「ああ。これも結局推測になっちまうがな。だから念には念をってことで、いつも以上に警戒しとけってこった」

「そういうことなら、了解だ」


 そういうことなら例のブレスレットを配っとくか。

 現在で例のブレスレットを持っているのはアリスとカレンとリリィ、それにミーナだ。あと渡しとくべき人は……。

 俺がそんなことを考えている時、アリスを守ってくれと言った後からなぜか黙っていた王様が閃いた!といったような表情を見せる。

 あ、脳内センサーさんが……

 先にどんなことを言われても驚かないように心構えをしておこう。

 ……よし、さぁ来い!


「いっそのこと、アリス達と同棲しろ、レオン」


 ………は?





 





今の更新ペースが流石にきつくなってきたので落とします。 

出来れば毎日更新しようとは思いますが、二日に一回になる時もあると思います。


それでは、お読みいただきありがとうございました。

筆者のモチベーション向上につながりますので、よろしければ是非ブックマークや評価をお願いします。感想もお待ちしております。



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