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絶対守護者の学園生活記  作者: 若鷺(わかさぎ)
第5章 学園~学内最強決定戦編~
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努力家

 試合開始の合図と共に二人は動き出す。

 お互いに直進して距離を詰め、剣が交わる瞬間。


「ふっ」


 ソフィが自身の真下から風を吹き上げさせ、それを利用して前宙をしてアリスを飛び越えようとする。そのすれ違いざまに攻撃を仕掛けたが


「甘いっ!」


 素早く反応したアリスが双剣を受け止めてそのまま押し出し、ソフィを弾き飛ばす。それと同時に火球を数個発生させ、追撃をかける。

 着地をしたソフィは迫りくる火球を魔力を乗せた斬撃で消し飛ばす。

が、アリスは火球に上手く自身を隠しながら接近していた。

 これは火球を全て消し終わった瞬間に姿を現し、一撃を浴びせるためだ。

 ソフィが最後の一つに取り掛かった瞬間、全力の一撃を浴びせようと地を強く踏み、剣を上段に構えるが。


「いるんだろ?」


 そう呟いたソフィが、風魔法によって薄い壁を正面に作り出す。

 壁に火球がぶつかり、壁に沿うようにして火が広がる。簡易的な火の壁が出来上がった。

 これはレオンと学園長の試合において、レオンが風の竜巻を火魔法で強化していたのを見て編み出した対策法。強さを求め続けるソフィだからこそ気付けたことである。


「くっ」


 突然目の前に出来た火の壁に驚きの表情をし、動きを止めるアリス。

 全力を出そうと強く踏み込んでいた影響で、次の動き出しが遅れる。

 ここが攻め時だと悟り、ソフィは仕掛ける。

 双剣によって繰り出される隙のない剣戟に、対処するので精一杯となっている。

 魔法の使用には集中力が必要なため、一方的に攻撃を受けている時に発動するのは厳しくなる。

 本来であれば、アリスの状況は芳しくない。

 どこかに隙を見つけ、立て直さなければならない。

 だが


「ふんっ!」


 アリスの身体を包むように火が噴き出す。

 瞬時にソフィは攻撃を受けるやめて距離を取る。


「やはりそれは厄介だな」

「私もあの戦いで得たものがなければ危なかった」


 互いを認めあってるからこそ、通じ合うものがある。

 戦い方を知り尽くしていてもなお、それでも上を目指す事を諦めずに摸索を繰り返す。

 

「流石は努力の鬼だな」

「私にはそれしか無かったからな」


 アリスが先程使った火を纏う技術は簡単に出来るほどではない。それを可能にしたのは才能と弛まぬ努力である。王族という血筋により、恵まれた才能を持ったにも関わらず、そこで慢心はせずに己を鍛え続けた。

 一方ソフィは努力のみでここまで登りつめた。エルフ族は本来、魔力量が多く魔法に特化した種族である。そのため、近接戦を好まない。それでもソフィは強さを求めるために手を出した。そこにはどれ程苦しい道程があったのだろうか。


「続けようじゃないか」

「ああ」


 アリスの言葉にソフィが頷くと、激しい戦いが再び幕をあげる。


 一撃一撃の鋭さ、技術、動き。さらには魔法行使。どれをとっても学園最強とナンバーツーと呼ばれていても納得出来るような戦いを披露する二人。

 観客の多くはその光景に目が釘付けとなっていた。

 しかし数分が経つと、疲労が見え始める。

 二人はこれ以上長引かせるわけにはいかないと悟ったのか、自身の残りの全てをかけた勝負に挑もうとする。

 そして二人が動き出したその瞬間――


 ドガーン! と大きな音を立てて訓練場の壁が崩れた。それと同時にそこから飛んできた何かが、戦いの舞台を囲っていた結界に叩きつけられた。


 あまりに突然の出来事に観客が固まるが、それでも冷静でいたアリスとソフィが確認をしにいく。

 そしてその何かを確認したアリスが呟いた。


「れ、レオン……!?」


 傷だらけのレオンが、そこにいた。

やっぱりバトルシーンはむず(ry


お読みいただきありがとうございました。


筆者のモチベーション向上につながりますので、よろしければ是非ブックマークや評価をお願いします。感想もお待ちしております。

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