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絶対守護者の学園生活記  作者: 若鷺(わかさぎ)
第5章 学園~学内最強決定戦編~
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二人の武人

 今日は学内最強決定戦二日目、実質最終日である。

 いつものメンバーで観客席に座り、試合を眺める。

 準決勝から始まるため全三戦で終わるが、初日以上の盛り上がりを見せていた。

 なぜならアリスとソフィ先輩が出ているからだ。しかも準決勝では当たらないので順調に勝ち進めば決勝で当たる。

 学園トップとナンバーツーの戦いが見れるとなると盛り上がるのは納得できる。おまけに二人は二学年二大美少女である。

 案の定、二人は準決勝を突破した。

 そして今は決勝前のインターバルだ。最も激しくなるであろう試合を前に、両選手に最高のパフォーマンスをさせるための休憩時間。


「お、おいレオン。俺達は親友だよな?」

「急になんだよ気持ち悪い」


 俺の両肩に手を置き、顔をずいっと近づけて問い詰めてくるマルク。顔近すぎなんだが。


「お前、ミーナまで落としやがって……。いつものメンバーの女子全員お前の嫁になっちまって、居づらいんだよ!」

「……すまん。ってリリィは違うだろ」

「お前、気付いてないのか」

「何がだよ」

「……いや、なんでもない」


 なんなんだよ……。リリィマイスターの俺から見ても、特におかしいところはなさそうなんだがな。

 いつも通りの超絶可愛い妹様だ。


「レオンの気持ちも分かるわね。これは癖になるわ」

「……わしゃわしゃ」


 女子三人の方を見てみると、カレンとリリィがミーナの頭を撫でていた。

 カレンが「同盟に加わるなら私にも撫でさせて!」と頼み込んだからだ。なぜかリリィも便乗しているが。

 てか同盟ってなんだよ。


 そんな風に各々で自由に過ごしていると、ブザーが鳴り響く。

 インターバル終了のブザーだ。

 そしてアリスとソフィ先輩が同時に舞台に姿を現す。


 ……ん? これは……?


「すまん皆! 少し離れる!」

「レオン!?」


 間に合えよ……っ!


※※※


 学内最強決定戦、決勝戦。

 二人は舞台上で向かい合っていた。


「久しぶりに本気でやりあえそうだな、ソフィ」

「あぁ、この時を楽しみにしていたぞアリス」


 互いに実力を認め合っているからこそ、不敵に笑いあう二人。

 そこに漂う空気は、まるで戦場のように張りつめていた。


「アリスが男にうつつを抜かしている間も、私は修練を積んできたからな」

「べ、別にうつつを抜かしてなんかいないっ!」


 しかし先ほどの空気はどこへやら、ソフィがニヤニヤしながらアリスをからかい始める。ソフィの急な攻撃にアリスは思わずたじろぐ。


「添い遂げたいと思える相手がいるというのは、精神的にも強くなれるぞ? ソフィも探してみたらどうだ?」

 

 アリスが反撃を試みる。

 帰るべき場所がある。自身を待ってくれている人がいるというのは精神的支柱になる。それは過去の大戦に参加した多くの人が語っていた事であり、世界中でも認められていることである。

 そのため、アリスの言葉もただやりかえす為のものではなく、ソフィに対しての心遣いもある。

 しかしアリスの言葉を聞いたソフィは一瞬だが暗い顔をしていた。すぐに元に戻ったため、アリスはその変化に気付いていなかった。


「私は私より強い者にしか従わない。ふむ、そう考えるとレオンは優良物件だな」

「なっ! そ、それは駄目……ではないのか? ソフィなら私は認めているし、カレンだって話せば多分……」


 語尾に近づくにつれ、段々と声量が小さくなっていく。


「ふふ、心底あいつに惚れているんだな」

「あぁ、私が惚れた相手だ」


 またしてもからかうようにソフィは言うが、今度のアリスは自信満々と言った様子で返事をする。そのアリスを見てソフィは嬉しそうに、しかしどこか影がさしているような微笑みを浮かべていた。


「……そうか。さて、そろそろ始めるとするか」

「そうだな」


 二人は武器を構え、対峙する。

 またしても張りつめた空気となり、そこに立つのは二人の武人の姿。


「試合開始!」


 そして決勝戦が始まった。



  

お読みいただきありがとうございました。

次回はバトル回。


筆者のモチベーション向上につながりますので、よろしければ是非ブックマークや評価をお願いします。感想もお待ちしております。

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