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絶対守護者の学園生活記  作者: 若鷺(わかさぎ)
第4章 学園~日常編~
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閑話 第2回女子会

ノルマの2千字に届かなかったので相当短いです。

「ここに、第2回女子会の開会を宣言します!」

「うむ」

「……わー」

「……このメンバーだと盛り上がりに欠けるわね」


 なんだろう、すごく虚しい。女の子が三人集まれば絶対に姦しくなるわけではないと分かった瞬間だった。

 そんな開会のくだりはともかく、女子寮の私の部屋にはアリスとリリィが集まっていた。

 これは私が事前に呼び出したためで、あることについて話し合うべきだと思ったからだ。


「それで? なぜ私たちは呼び出されたんだ?」

「リリィについて確認しなきゃいけないことがあるからよ!」

「……私?」

「そう! 今回の議題は〈リリィが最近レオンにやたら積極的になっている件について〉よ!」


 私が話し合うべきだと思ったのはこれ、リリィが変わったというかやたらレオンに対して積極的になっていることについて。

 幼馴染であり、同じ女の子でもある私からしたらリリィはレオンに恋をしているような気がしなくもない。はっきりとしないのは、すごく微妙なラインだからだ。恋をしているように見えるが、レオンとただ一緒にいたいだけのようにも見える。


「ふむ、私はリリィとはそんなに一緒にいることはないから、いまいち分からんな。どれくらい積極的なんだ?」

「えーと、自分から抱き着く。自分から膝の上に乗る。自分から手を繋ぐって感じかしら」

「? 普段からそんな感じじゃないか?」

「違うのよ。いつもならレオンからしてたはずなのに、最近はリリィからするようになったのよ」

「自発的になったということか」


 何かしら思うことがあって、そんな変化をしたのだと思う。私はその思うことについて聞きたい。


「リリィ、あなたに何があったの?」

「……分からない」

「分からない?」


 そしてリリィは、聞いてるこっちが恥ずかしくなるような説明を始めた。


 ある時から妹ではなく、一人の女の子として自身を見てほしいと思ったこと。だがリリィには恋と言う感情も、惚れるという行為も分からない。レオンに対するこの気持ちは果たして恋なのか。仮に恋だったとしても、今のこの兄妹という関係が崩れてしまうのが怖い。だから今はそのままで、何かを背負って無理をしている兄のために、自分が癒しになってあげようと。

 

 説明を聞いて、リリィが積極的になった訳は分かった。長年付き添った兄の異変に気付いて、自分なりに出来る助けをしているのであろう。

 それよりも、だ。

 私はアリスに顔を近づけ、リリィに聞こえないように小声で話しかける。


「どう考えても、恋よねぇ」

「ああ、どう考えても、恋だろうな」

「あと、兄に似て不器用よねぇ」

「ああ、兄に似て不器用だな」

「それに、色々考えすぎてて面倒臭い」

「ああ、色々考えすぎてて面倒臭いな」

 

 なんだこの兄妹。

 兄の癒しになるためにくっつくという考えに至るとは。もっと他の方法だってあっただろう。

 とりあえずそれは置いとくとして。


「正解を教えてあげるべきかしら? その感情はまさしく恋よ! って」

「それは駄目だろう」

「やっぱりそうよねぇ」


 これはあくまでも本人が解決すべき問題であろう。見ていてじれったい感じもするが、手出しは流石にしてはいけない。

 そんな私たちに出来ることは。


「見守るしかない、わね」

「そうすることしか出来ないだろうな。若い内に色々と考え、悩んでおいた方がいい」

「あんた何歳よ……」


 アリスの発言はともかく、リリィが自身の気持ちに気が付くその日までは見守らせていただくとしますか。

 レオンが世話の焼ける幼馴染だとすれば、リリィは手間のかからない妹だ。……レオンに関しては今は婚約者だけど。

 そんな妹の成長を見るのが、今から楽しみに感じてしまう私であった。

 


5章入る前に今までの登場人物紹介を挟みたいと思っています。


お読みいただきありがとうございました。

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