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絶対守護者の学園生活記  作者: 若鷺(わかさぎ)
第3章 学園 ~入学編~
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謁見と婚約

入学編のはずなのにまだ入学する気配がないという事実。

あと二話ほどでするので大目に見ていただければ……。

 お互いが空気に流され、キスをしてしまった。

 自分がしたことに気付き、アリスはすぐに離れた。

 アリスは顔を真っ赤にして、俯いてしまっており、なんとも言えない空気になっていた。

 俺も顔は真っ赤だろうが、このままでは流石にまずいと思ったので、軽口をたたいてごまかそうと思った。


「いやー、俺のファーストキスがアリスととは、嬉しいなー! 生きててよかったー!」

「………私もファーストキスだ、バカ」


 やってしまった。

 前にアリスに対して不敬な態度をとってしまったことがあったが、本人に許してもらえた。だが今回はまずすぎる。嫁入り前の女の子。しかも王女。付き合ってるわけでもない。

 終わった……。皆、ごめんよ……。


「ぷっ……あははははははははは!」

「な、なんだ?」

「いや、すまんすまん。お前と会った時にも同じようなことがあったと思ってな」

「懐かしいな。てかそんなに笑うか?」

「だからすまんと言ってるだろう? ふふふ」


 めちゃくちゃ笑われたんだが。でもさっきまでの空気は緩和されたか?

 ていうかアリスの笑顔……


「綺麗だ……」

「なっ……!」

「す、すまん。気に障ったか?」

「い、いや、そういうわけではない! とにかく! さっきのキ、キスのことは気にするな!」

「……本当にいいのか?」

「ああ。………むしろ、お前でよかったというかなんというか……」

「? 最後の方はあまり聞こえなかったが……。んじゃ、これからもよろしくな、アリス」

「ああ、こちらこそよろしく、レオン」


 互いに笑顔で握手を交わす。とりあえずは一安心だ。


「とりあえずは、王都まで行くか。」

「そうだな。御者は私が務めよう」


 そして俺は馬車に乗って王都へ出発した。

 王都……楽しみだな!


「ああそうだ。仮にもお前は王女を助けたんだ。王都に着いたら父上に会ってもらうぞ」


 少し帰りたくなりました。


※※※


 ガルーダ王国、王都アイン。

 大陸名も国名もガルーダなのになぜ王都は違うかというと、元はガルーダだったがもっと言いやすくしたいという王様の声によって変わったらしい。王も王だし、それに付き合う国民も凄いと思う。

 人口は1000万程で、個人的に少なく感じるが、他の町や村の数が多いかららしい。

 街並みは、とても華やかさを感じさせるものであった。しっかりと舗装をされた道。通りゆく人々に声をかける、屋台を出している人々。家は煉瓦造りであろうか。

 とにかく華やかという一言に尽きるという印象だ。


「すげー……これが王都かあ。でも王様と会うんだよなあ。ん? 王都で王と会う? キタコレ」

「降ろされたいか?」

「ごめんなさい」


 アリスさん怖い……。

 ともかく、やっと王都に着いた。

 今は王城に向かっている。勿論馬車に乗ったままだ。王女と一緒に歩いてるところなんて見られたら面倒なことになりそうだからだ。

 しばらく、馬車に揺られて二十分ぐらい経っただろうか、王城が見えてきた。

 左右対称、まるで芸術品かと見間違うかのような美しさ。そしてかなりの大きさであり、威厳がある。某鼠のテーマパークの城の数倍はありそうだ。元がどれくらいの大きさか忘れたが。

 顔パスなのだろうか、止められることもなく城門を通り過ぎ、城内へと案内される。


「私は父上に事情を話してくる。少し待っててくれ」


 そう言われ、来客用であろう部屋に通される。ぶっちゃけ落ち着かない。高そうなものばっかだ……。

 傍から見たら怪しいと思われるくらいにそわそわしていたが、十分ほど経つと、案内にきたのであろうメイドに連れられ、大きな扉の前に立つ。恐らく謁見の間の扉であろう。


「陛下、レオン様をお連れしました」

「おう、入れ入れ」 


 そして中に入り歩き出す。こういう時は真ん中で片膝ついてとかそんなんだっけ。やばい分からん。


「あー、別に何もしないでいい。そのまま立ち話でもしようじゃないか」

「はい、分かりました」


 助かった……。てか目の前にいるのが王様か。若いな。てかすっごいガタイいいんですけど。何? 王族は鍛えなきゃいけないとかあるの? アリスの強さは遺伝なのか? 


「別に畏まる必要もない。普段通り話せ」

「はい、分かりま……分かった」

「よし、堅苦しいのは嫌いでな。俺の名前はダフィズだ。しかし、アリスが言ってた通り、遠慮がないやつだな」

「はあ……」

 

 俺的には、そうしろと言われたからそうしてるだけなんだが。


「今までのことはアリスからすべて聞いた。アリスを助けてくれたこと、感謝をする。それで、レオン。お前には何か褒美を与えようと思うんだが、何か希望はあるか?」


 褒美か。実は既に考えてあったりする。


「俺が貴族がらみで何かあった時、便宜を図ってもらうってのは?」

「要するに、貴族とのいざこざに巻き込まれないようにしろと?」

「そうだ」

「おし、承知した」


 俺だけならともかく、他の人たちまで巻き込まれるのは勘弁だからな。

 それにしてもアリスに聞いていたが、ずいぶんとフレンドリーな王様だな。民に好かれているのも分かる。

 

「レオン、実は聞きたいことがあるんだが。あ、これは他のやつには秘密な?」

「? なんだ?」


 絶対これが今回の謁見のメインだ。おかしいと思ったんだ。俺と王様以外に誰もいないんだもん。

 あれ、なんか嫌な予感が……。


「一人の父として聞く。アリスの婚約者になってみないか?」

「………なんで俺なんだ?」


 驚きに慣れてしまったのか、それとも加護の影響か、思ったより冷静に対応できた。慣れるぐらい驚いてきたってのは、なんか色々と複雑だな……。


「もう少し驚いてくれないとつまらんぞ。いやなに、四年ほど前にお前の村から帰る時にな? アリスがレオンのことをやたら嬉しそうな表情で話してくるんだ。今はまだ未熟だが将来はきっとかなりの猛者になれるだろうとか、子供達に好かれるようなとても優しい心の持ち主だ、あいつは私に対して平等に接してくれる、とかな。貴族の男共を見てきた影響か、あまり男に興味がなかったアリスがあんなにも嬉しそうに男について話すのは初めて見た」


 王女と繋がりを持つために貴族が媚でも売ってきたり、あわよくば婚約関係に持っていこうと大変だったのであろう。そこで、そんなしがらみのない平民の俺が現れたからか。気楽に接すれる人がいるというのは嬉しいことだもんな。


「さらにな? さっき帰ってきたアリスから事の顛末は聞いたが、まだ何か隠してるみたいだったんで父の特権、またの名を、幼い頃の恥ずかしい思い出を武器にして聞いてみた。そしたらお前……うちの大事な大事な娘とキス、したんだってなぁ?」


 怖い! 怖いですよ王様! 国民には見せられない顔してますよ! てかなに娘を脅迫してるんすか!


「アリスもお前を気に入ってる。そしてお前は俺の娘の唇を奪っちまった。男なら責任、取れるよな?」

「え、えーと……」

「まあ今は気にしないでくれていい。あまり話したくは無いが、平民と婚約すると色々うるさいやつらがいるんだわ。やろうと思えばゴリ押せると思うんだがな。そこでお願いだ。アリスが十八歳になるまでに、なにかしら武勲なりなんなり立てて、それなりの地位になれ」


 この世界の成人は十八歳だ。結婚も男女同じで十八から。それはしっかりと生活の基盤を作れるようになる、つまりは学園を卒業して就職してからが良いとされているからだ。


「それなりの地位って?」

「お前は貴族を嫌ってる節があるが、それ以外でも色々ある。例えば英雄とか……な、レオン=ガーディア」

「なぜ知って、って王から姓を貰ったって言ってたし繋がりはあるか」

「おう、ダルクとは親友だからな」


 気が合いそうだもんな……。二人が肩を組んでガハハハ笑ってる姿が簡単に目に浮かぶし。


「とにかく分かった。その件について考えとくよ」

「それでいい。お前は学園に入るんだろ? うちの娘二人とも通ってんだわ。仲良くしてやってくれ」

「はいはい。話は終わりか? 今度は俺から質問いいか?」

「カレンちゃんとリリィちゃんについてだろ?」

「ああ、保護してくれたんだろ? 出来れば会いたいんだが」

「それについて、頼みたいことがあるんだが……」


 そうして、王様の頼みを聞いた俺は、謁見の間から退出し、学園の寮に入るまでの間に利用する宿を見つけ、部屋のベッドで長旅の疲れを癒すために深い眠りについた。



 





 


 

風景の描写って難しいですね。

気を抜いたら人物の口調までおかしくなってしまいそうに。

頑張らなければ。

お読みいただきありがとうございました。

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