表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
150/169

絶対守護者の学園生活記

本日2話更新&完結。こちら2話目。

後書きも読んでくれるとありがたいです。

 とある屋敷の一室で、幼い子供二人に絵本の読み聞かせをしている男の姿があった。


「こうして魔王は倒され、世界に平和が訪れるのでした――――おしまい。どうだったか?」

「ぜったしゅごさまかっこいいー!」

「むにゃ……」

「あらら、カリンは寝ちゃったか」


 話を聞いて興奮する男の子と寝てしまった女の子の頭を撫でながら男は苦笑する。自分と愛妻との間に出来た子供だ。どんな姿も可愛く見えてしまい、甘やかしてしまう。もうすぐ出かける予定があり、途中ではあったが絵本を読むのを終わろうとした。しかし最後までと読んでほしいと子供に頼まれて付き合ってしまった。外で一緒に出掛ける相手が待っているのにだ。きっと相手は怒っているに違いない。


「いつまで待たせるのよ!! 早く来なさい!!」


 ――ほらきた。怒鳴り声が部屋にまで聞こえてくる。すやすやと気持ちよさそうに寝ている娘を軽く揺する。


「カリン、ママが呼んでるぞ」

「……ママ? ……パパだ~」


 寝ぼけまなこで男に抱き着く娘。あまりの可愛さに抱き締めてしまう。


「にゅふ、くるしいよパパ~」

「カリンが可愛すぎるのがいけない!」

「パパ、ぼくは?」

「レンもだ!」

「やったー!」


 息子と娘を抱き締めて頬擦りする。子供達はキャッキャッと嬉しそうにはしゃいでいる。

 親子の微笑ましいじゃれあい。しかしすぐに終わりが来てしまう。


「もう! 何してんのよ!」


 桃色の髪を揺らし、幼馴染であり妻でもある女が部屋に乗り込んできた。


「ママ!」


 とことことこと男の子が母の元へ歩いていく。


「ほら行くわよ」

「ママ、手つなご!」

「はいはい」


 きゅっと手を繋いで部屋を出ていく妻と息子の後を夫と娘が遅れて付いていく。


「カリン! きょうそう!」

「まって~」


 外に出ると子供達が元気に走り出す。子供達の後ろ姿を夫婦は並んで見ていた。


「……なぁマイハニー。今幸せか?」

「突然どうしたのよダーリン。ていうか……」


 妻が夫の手を掴み、指を絡ませる。


「流石にマイハニーって呼んでくる男は嫌ね」

「俺はダーリンでもいいぞ? 結構好きだこれ」

「名前変えたら? ダーリン=ガーディア。いい名前じゃない」

「それ本気で言ってるか?」

「んなわけないじゃない」


 見つめあい、笑う。こんな冗談を交えた会話を気軽に交わせるのが、凄く楽しく思える。


「ママ! パパ!」


 イチャイチャし始めた夫婦に息子の呼ぶ声が届いた。


「レン様がお呼びだぞカレン(・・・)

「レン様がお呼びよレオン(・・・)


 再び軽く笑いあうと、妻が夫の前に出て振り返ってくる。向き合い、身長差から自然と見上げる形になる。


「私は今、すっごく幸せよ!」


 惹きつけられるような眩しい笑顔。それは護ると決めた時から変わることのない、魅力的なものだった。






 親子が去った部屋に置かれていた絵本――『絶対守護者の学園生活記』のページが、換気の為に開いていた窓から入ってきた風によって捲られる。そして開かれたページはその絵本のネタの元になった人物からのメッセージが載せられたページだった。


               ―――――――――――                      

 

 読者の皆様どうも、レオン=ガーディアです。本日はお日柄も良く……なんかこれ違うだろ。おい何笑ってんだシャル。え? 代わりに書いてあげるからそのまま話せばいいって? リリィは偉いなぁ。どこかの性悪とは大違いってシャルさん? 万年筆は刺すものじゃなくて書くものだよ? だから振りかざすのは止めようね?

 ……ゴホン。どこまで話したか忘れたぞ。あ、リーフェさんおかえり。

 今更だけど子供達が読むであろう絵本に堅苦しいこと書いても仕方ないと思うんだよな。それにもうすぐアリスとソフィとクーと出掛ける予定だし。

それにカレンがミーナをもふってるのが羨ましすぎて早く俺もそっちに行きたい。だからこれだけは伝えようと思う。

 あくまで個人的な考えだが、人は護るものがあると強くなれると思うんだ。その人、その物、その場所の為に戦おうという想いこそが力になる。だから頑張れ若人たちよ! ……これも何か違う気がするがまあいい。

 最後に俺の決意表明でも。


 俺は護るべき者の為に戦い続ける。それが『絶対守護者』としての、俺の使命だから。


               ―――――――――――


お読みいただきありがとうございました!これにて「絶対守護者の学園生活記」完結です!!

見切り発車で書き始めたこの作品が多くの方に読まれ、筆者自身面白いものが書けるか不安になりつつも無事に完結を迎えることが出来ました!

読者の皆様方に圧倒的感謝を!!!!!!


今後は「見え無き死の刃は怠惰に過ごしたい」に集中するか、新作として異世界ではなく現実世界での学園ラブコメでも書こうかなと思っております。よろしければそちらも是非お読みいただけたらと。


「絶対守護者の学園生活記」は今回で完結ですが、実はアフターストーリーなどをどうするか悩んでいたりします。レオンの残りの学園生活や結婚後の話などなど。

要望があれば再び書き始めるかもしれないです。


それでは改めて。

ここまで読んでくださった読者の皆様方に圧倒的感謝を!!!!!!!!


感想待ってます(チラッ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ