if:約束しなくても…
うっしゃあ!夏休みだぁー!!
夏だ!海だ!山だ!花火だ!アウトドアだ!洗濯だ!バイト三昧だ!山のような宿題だぁー!
……後ろのやつやりたくねぇなぁ。
どんな学生でも思わないわけがない。それは宿題。
めんどくせぇ。てか、就職も決めないといけないんだよなぁ…。あー、めんどくさ。
気分は最悪だ。こうなったら、出掛けるぞー!
ゲーセンだ!とにかくゲーセンだ!この町に1つしかねぇデパートにある二階。そのゲームセンターで今日は遊びまくってやらー!
ふははは!やっべ、すげぇテンションが上がる!
俺の自転車がうなりをあげるぜ!
いぃーーーやっほぉぉーー!!!!
50分後。
……あっつー。テンション上げすぎた。最初から飛ばしすぎて疲れたー。何やってんだろうな俺。馬鹿みたいだ。いや、馬鹿か。
まあ、いいや。とりあえず、目的のデパートには着いたし。
とにかく、今日は遊ぶぞ♪
ま、とりあえず最初は喉も乾いたから一階でジュースでも買いに行くかな。
ジャラジャラー!!キャーキャー!
「おお……」
たぎるぜ。テンションうなぎ登りでなんかすっげえヒャッハーな気分だぜ!
イェーイ!わーい!
とりあえず、なにからしようかっな~。まずは、リズムゲームの太鼓で一回鳴らしておいて……
……
…
くっそー。やっぱ、鬼☆6が限界かー。コントローラーなら確実にクリアできる自信あんだけどなー。やっぱ、あれかな体力がないのが原因かな~。
くぅー、なかなか極めるのは難しいぜ。
ちょんちょん。
ん、誰だ?俺の肩を叩く奴は。
俺は横を振り替える。すると、何処かで見たような白髪の青い大きな瞳の少女がいた。
「…よ、よおありす」
「なんでここにいるの?」
「見て分からないか?ゲーセンしに来たんだよ。主にあのリズムゲームをな」
「太鼓の○人?へえ、ドヘンタイのおっさんもやるんだ?」
なんか周りが引いた気がした。
俺は慣れてるので全く気にしないが。
「ん、そりゃ俺はゲーマーだからな。このリズムゲームは5年も掛けてやってるしな」
「おっさんゲーマーだったんだ?」
「ああ、ゲーマーだ。しかも、少しガチ目のな」
「ふぅん」
ありすは興味無さそうに返事していた。
まあ、世間話なんてそんなもんだよな。
「そんで、そっちはなんでここにいるんだ?」
「両親の買い物よ。服を買うんだってさ」
「ありすは付き合わないのか?」
「私の分はもう終わったからね。他にも色々買うらしいんだけど、うちの親ちょっと色々あってね」
「へぇ、大変なんだな」
「まあね」
この前あんな別れ方したのに、よくこんなに話してるな俺ら。
というか、ありすが意図的に距離を縮めてるのか。
なんでだろ。俺にはよく分からんな。
まあ、仲良くなるのは悪いことではないが。
「さてと、どうせゲーセンにいるだし、なんかして遊ぶか?」
「いいよ。別に」
「そっか。んじゃ適当に楽しんでくれ。俺はもっかい挑戦してくるから」
「ご勝手に~」
この日、俺は遊び呆け、ありすはそんな俺を見て楽しんでいた。
ゲームでド下手な結果を出すとありすが「そんなのも出来ないのー?」とからかってきたり、まあまあな結果を残すと「もっと行けるんじゃないのー?」と発破かけられたりされた。
これはそんな俺とありすのある休日の一幕。
縁があればまた会う。
これはそれだけの話