表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

湿

作者: ガムベース

蜘蛛の巣に、薄いスジの細長い翅がかかって、

初夏の湿気が、泥のにおいを巻き上げて、

真空状態の心臓部分に、

菌糸みたいな小骨がぴりぴりはじけている

虹彩のどんづまりを超克した、ゼリー状の、

子供のカワセミだ

積みたてのブロック塀の陰から身を乗り出した

ものをしらない地元の子供

見晴らしのよいあかるみで、

水の這うすじが、わたしから見て真直ぐ向こうへ

砂を踏むような音を立てており、

稲穂のこすれる音に代わりおり、

天気が雨に変わったら

見晴らしのよいあかるみに

幼子の深緑色した振れ動く虹彩の

どんづまりを踏破する

薄ら馬鹿の、

みっしり詰まった五臓六腑のどんづまりを

夏夜の雨音は超克する

草いきれ薄翅を染みて

噎せ返るような虫のにおい

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ