表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/100

憤怒の騎士 5

「ひっ……」


 その一撃でイリアは地面に尻もちをついてしまった。しかし、鎧は既に剣を振り上げている。


「イリア!」


 俺は思わずイリアの手を引っ張った。そして、そのまま一目散に入ってきた扉を足で蹴り明け、そのまま部屋の外にでる。


「なんだよ……魔物はいないんじゃなかったのかよ……!」


 この世界には魔物なんていないはずだ。そう設定したのだ。


 しかし、先程の鎧騎士はなんだ? とても人間には思えない。


「ニト! 止まれ!」


 と、全力疾走で走っていた俺に、イリアがストップをかける。


「どうして? アイツが追ってくるかもしれないだろ?」


「いや……アイツは、もう来てないみたいだ」


 そう言われて俺は立ち止まる。イリアの言う通り、鎧が追ってくるような音は聞こえてこない。


「……なんだったんだ。アイツ……」


「さぁ……わからない」


「はぁ……何にせよ。またしても改宗は失敗だな。こんな変な所、さっさとおさらばしようぜ」


 俺がそう言っても、イリアはなぜか深刻そうな顔で俯いていた。


「なんだよ。改宗できなかったのが悔しかったのか。仕方ないだろう。あれは話が通じないタイプだよ。そもそも、人間かどうかも怪しいもんだ」


「……違う。アイツは、人間だ」


 イリアは確信を持ってそう言った。そして、その綺麗な瞳で俺を見る。


「……ニト。私はもう逃げたくない。アイツが一体何者なのか。それだけでも明らかにしたい」


 今まで見たことのない真剣な顔つきで、聖女イリアは俺にそう言ってきたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ