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怠惰の森 1

 それから、しばらく俺とウェスタはイリアを追って歩き続けた。


 しかし、イリアの姿は見えない。俺は段々と心配になってきた。


「アイツ……大丈夫なのかな」


「う~ん……そうだねぇ。さすがにそこまで精神力の弱い子ではないと思うけど……かといって強い子でもないし……僕もなんとも言えないねぇ」


 またしても他人事のようにそういうウェスタ。ここは俺が真剣になって探さないといけないようである。


「……っていうか、お前、さっきイリアが行く場所知っているって言ってたじゃねぇか。そこに行けばいいんじゃないか?」


「え? ああ。あれか。確かに、イリアの次の巡礼地は知っているよ。でも、それはイリアが巡礼の旅を続けようとしていれば、って話だよ。途中で放棄していればそこにはいないかもしれない」


「……なんでもいい。イリアがいる可能性があるとしたら、次の巡礼地だろ。そこにいなかったらもうどうしようもないが……とにかく、そこに行くぞ」


 俺がそう言うと、ウェスタも渋々同意し、俺とウェスタはその次なる巡礼地に向かうことにした。


 ウェスタを先頭にして暫く歩いていると、視界の向こうに見えてきたのは、何やら深い森であった。


「え……あそこが次の巡礼地?」


「ああ。あそこがアルピエの森。イリアが巡礼の旅を放棄していなければあそこにいるはずだよ」


 なんだか不気味な感じのする森であったが……あの森にイリアがいる可能性があるというならば行かざるを得ない。


「……よし。じゃあ、行くか」


「大丈夫。ニト君、無理してない?」


「なっ……む、無理なんてしてねぇよ。さ、さっさと行くぞ」


 ウェスタの言う通り、ちょっと行きたくない感じの森であったが、心配されるのも癪だったのでそう言って無理やりにでもそのまま森の中に侵入することにした。

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