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僕のもう一つの物語

此方を正規連載します!

ここは何処ですか。


目を覚ました僕が真っ先に考えたことはそれだった。


周り一面が白のような、黄色のような、そんな感じの光に包まれている。てか、僕浮いてないか?


「目が覚めたかのぅ?」


ふと、後ろから老人の声が聞こえた。


「誰だ?」


直ぐに振り返る。やはり案の定一人の老人がいた。・・・彼も浮いているが、気にした方がいいのだろうか。


「ふぅむ、意識ははっきりしとるようじゃな。ちとすまぬが、先に儂の質問に答えてもらってもかまわないか?」


「え、まぁ、いいけど・・・」


「すまぬ。今の質問には後でしっかりと答えよう。では聞くが、お主、目が覚める前の前・・・つまり寝る前のことを覚えているか?」


寝る前?・・・んーと、確か・・・


「なんだっけ、ぼんやりとだけど・・・目の前に車が来てたような・・・」


・・・あれ?てことは僕ひかれたのか?


「うむ、生前の記憶は多少ははっきりしとるようじゃな」


え?生前?


「あれ?じゃあ僕死んだ、てこと・・・?」


「結論としてはそうなる」


マジですか。てことはここは天国かなにか?


「因みに死因は?」


「猛スピードで突っ込んできた車にひかれたことによる内蔵破裂じゃ」


エグい死に方してるな自分。


「じゃああなたは・・・」


「信じぬかもしれんが、人間でいう神様、てとこじゃろうな」


そういうことか。天国ならあながちおかしくなさそうだが・・・


「で、その神様が僕にどういう要件で・・・」


「うむ、実はのぅ・・・」


まさかよくある神の手違いで死んだから転生してあげるとかそういうパターンか?


「ここには様々な神がいるんじゃが、生前のお主の行いが評価されたことと、あまりにも死因が突然で惨いものだったことから、転生の許可がおりたんじゃ」


転生は当たっていた。でもそんなに神に評価されるようなことしてたか?


「まぁこのまま天へいくのも構わぬが・・・お主はどうしたい?」


どうしたい、と言われても・・・


でも、正直もっとやりたいことはあった。


親孝行もそうだが、流石に恋人は作りたかったし、ずっとやっていた小説家をもう少し続けていたかった。


・・・よく考えたら、後悔だらけだな。やっとけばよかった、てことだらけだ。


だから僕はこう答えた。


「できることなら、もう少し生き物として生きていたい・・・!」


例え人間に転生しなくても。なにか意思を持つことができる命として生きていきたい。


「あい分かった。ならば望み通り、転生の準備を始めよう」


すると神はなにかを唱えながら手を動かした。すると僕の足元に魔法陣のようなものが浮かぶ。


「ところでこれってあらかじめ転生先とか決まってるの?」


「どういう世界かは決まっておる。お主が何に転生するのかもな。それは転生してからのお楽しみじゃ。だがどんな感じになりたい、とか、望みがあればできるだけ叶えよう」


ふーむ、望み、か。その世界にもよるが・・・


「その世界、て現実世界の平行世界

パラレルワールド

か、幻想世界

ファンタジー

か、どちらかだけ教えて下さい。それによって望みを決めます」


「それくらいならいいじゃろ。お主が転生するのはファンタジーの方じゃ。それ以上はお楽しみじゃ」


なるほど。なら望みはこんな感じかな。


「なら望みは3つ。一つは、名前をアビスとして通すこと」


アビス、てのはよくRPGでつけてた名前だ。深淵、てなんかかっこいいし。


「二つ、戦闘能力は平均より少し高めにすること。あまり高すぎると面白くないし・・・」


生前もチートとか大嫌いだったし。


「三つ、これはできたらでいいけど、この世界がどうなっているのか、というのを教えてもらえるよう、あなたと通信ができるようにすること。これが望み」


すると神は何故かポカンと僕を見つめた。


「あ、あれ?少し贅沢?」


「・・・いや、お主、本当にそんなんでいいのか?」


「え?なんで?」


「いや、転生させるのはお主で初めてじゃないが、ほとんどは最強にしてくれ、とかハーレムにしてくれ、とか、もっと常識はずれなことを要求してきたんじゃが・・・」


あれ、僕の望みは少し軽すぎたのかな?でも・・・


「いいですよそんなの。最強になんて転生して鍛えればなろうと思えばなれるし、ハーレムなんて必要ないし。そりゃ、女の人に囲まれるのは羨ましいけど、一人だけでも愛してくれる人がいれば充分だし」


「・・・ふむ、ならとやかくは言わん。だがハーレムの方じゃが・・・いや、なんでもない」


いや、絶対なにかあったよね。僕転生先でハーレムになるのか!?


「兎に角今の望みならお安い御用じゃ。全て叶えよう。通信の方じゃが、向こうについて意識が戻ったら、儂から入れる。それから色々説明しよう」


「分かった」


「さて、なら準備は完了じゃ。アビス、じゃったな。お主が自分の望む生き方が出来るのを望む・・・」


この言葉を最後に、僕は光に包まれた・・・











「・・・あ、すまぬ、飛ばすところを誤ったかもしれん・・・」








そして光が明け・・・



「ん?・・・んのぉぉぉぉぉぉぉ!!??」


僕は落下した。



なんで転生先が空の上なのさ・・・


アビスsideend




ここはとある城の庭・・・


「アグニ、今日も鍛練か?」


「ええ、私にとってこれは日常なので」


人間とは思えない肌の色をした女性と、アグニと呼ばれた、大剣で素振りをする一部がトカゲのような鱗に包まれた女性がいた。


「・・・ん?」


「どうしましたコスモ様?」


「いや、今空が光った気がしてな・・・」


次の瞬間。


「んのぉぉぉぉぉぉぉ!!??」


「「人間が落ちてきたぁぁ!!?」」


アビス、落下。


そして庭の池に落ちた。


「・・・は!人間は無事か!?」


突然の事に拍子抜けされたアグニだったが、直ぐに正気に戻りアビスの元に歩いた。


「・・・ふむ、息はあるな・・・しかし何故空から落ちてきた・・・?」


「アグニ、人間は無事か?」


「ええ。ただ、気を失っているようです」


「そうか、なら空き部屋のベッドに寝かせよう。色々話を聞きたい」


「承知」


アグニはアビスを抱え、城に入っていった。


果たして、アビスの転生後の運命は・・・


今作ではゲストキャラは募集しません。

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