第88話 少年少女と授業参観(上)
五英雄の一人が設立した学院に、自分の子供を入学させることは、今や一種のステータスとなっている。その学院が、身分や家柄を問わない実力主義の場であるという事実も、特に身分の低い親にとってはありがたい話だった。
アルフレッドは自身が地方の村の出身だったこともあり、身分が低くとも優れた素質を持つ子供たちの発掘には特に力を入れていた。王から下賜された褒賞や領地の経営で得た財貨の多くを、学院で生活する生徒たちの生活費に充てているのもその一環である。
「さすがは世界最高の英雄様だよ。まさか、わたしたちが授業参観に出るための交通費用まで工面してくださるとはなあ」
駅馬車に揺られながら、感心したような声で話す男性。がっしりとした身体つきながら、整った顔立ちをしている。
「でも、楽しみな反面、少し心配だわ。あの子は、少しお転婆ですものね。皆さんに迷惑をかけていなければいいけれど……」
おっとりとした声でそう口にしたのは、男性の妻のようだ。赤みを帯びた金色の髪を綺麗に結い上げているのはよそ行きの恰好ということなのだろうが、それを差し引いても十分に人目を引く美人である。男性の隣の席に腰かけて、膝掛け毛布を撫でまわしている。
そんな妻を見て、男性は呆れたように息をつく。
「……あれを指して、『少しお転婆』とはなあ。相変わらずマーサは大物だよ」
「でも、楽しみね。久しぶりにあの子の元気な声が聞けるのだもの。……ふふふ。同年代の友達がたくさんいる学院だし、お友達の一人くらいできてるかしら?」
「どうかな……。まあ、そのために学院への入学を認めてやった部分もあるんだし、できているといいな」
男性は自分の娘がその非常識な力のために、近所の子供たちから怖がられていたことを思い出していた。
「ふふふ。グレッグ、そんなに悠長なことを言っていていいのかしら?」
可笑しそうに笑うマーサ。
「なんだ?」
「もしかしたら、ボーイフレンドだって、できているかも知れなくてよ?」
「む……。ま、まあ、あの子を御しきれる男がいるのなら、任せてやってもいいかもしれないがなあ。難しいところだぞ」
複雑な男親の心情を覗かせつつも、そんな心配をしてしまうグレッグだった。
馬車は間もなく、学園都市エッダの入口に到着する。
──ルーヴェル英雄養成学院における授業参観。
それは学院に大事な子息を預けている家族に対し、学院での学習・訓練の成果を披露するための場である。従って、日常の授業風景を見学してもらうようなものではなく、一種の催し物の形を取る。勉学に関しては個別に教師との三者面談の機会を設けていることもあり、催し物として行われるのは、実技訓練がメインだった。
公開実技訓練のグラウンドの一角に、特殊クラスのメンバーが集まっている。そんな中、エリザは、念押しを繰り返すネザクに辟易したように息をついている。
授業参観であるということもあり、グラウンドでの実技訓練は、特別に各クラス合同でいくつかの組に分かれて実施されることになった。
特殊クラスの面々にとっても、普段は馴染みのない他のクラスとの訓練となったわけだが、なにしろ他の生徒とは実力が桁違いだ。
「エリザ。わかってると思うけど……本気でやっちゃ駄目だよ?」
「うん。わかってるよ」
「ほんとに? 前みたいなことがあったら、保護者の人たちまで巻き添えだかんね?」
「もう、信用ないなあ」
などと言ったやりとりを経て、特殊クラスの面々もかなりの『手加減』をしつつ参加することとしたわけだが、やはり彼らは『トラブル』と無縁ではいられないらしい。
しかし、意外にも今回のトラブルの主は、エリザではなかった。
模擬戦闘の訓練は、技を競うという意味もあり、同じような素養を持つ生徒同士で行われることが多い。そのため、月召術師として学院内でその名を知られているネザクの相手もまた、月召術師だった。
ネザクがグラウンドの中央に進み出た途端、『ファンクラブ』を中心とする生徒たちから一斉に黄色い歓声が上がる。ネザクはそんな声に照れくさそうに応じていたが、どんな人気者にも『アンチ』の存在は避けられないものらしい。
「女顔のガキが……ちやほやされて舞い上がってんじゃねえぞ、ああ?」
ネザクの相向かいに立つ少年は、いきなり彼にそう囁いた。至近距離であるため、他の人間にその声は届かない。
「別に、舞い上がってなんかいないけど?」
ネザクは、意味が分からず問い返す。だが、大柄なその少年は、ネザクを見下すようにさらに身体を近づけると、ドスの利いた声で言葉を続ける。
「魔王だか何だか、わけのわからない触れ込みで誤魔化してやがるけどよ。結局、何様なんだよ、お前?」
「……さっきから何なの? 意味が分からないんだけど」
ネザクは自分より遥かに体格の大きい少年に至近距離まで迫られながら、まるで動じた様子はない。
「しらばっくれてんじゃねえよ。最近、講座を開いてるあの黒魔術師の女、お前の姉貴なんだろ? まあ、いい身体してるもんなあ? どうせ、お前の入学もあの身体で色仕掛けでもしたおかげなんだろ?」
下品な顔で笑いながら、ネザクをなじる少年。だが、彼は気付いていない。この瞬間、ネザクの視線が氷点下より冷たいものになったことに。
「…………」
「言っとくけど、俺はてめえの外見なんか関係ねえ。お披露目は今日が初めてだが、俺は災害級の『魔』を召喚できるようになったんだ。びびって小便漏らすなよ?」
「おい、何を話している。早く試合を始めなさい!」
「ちっ!」
横合いから痺れを切らしたように声をかける教師の声に、舌打ちする少年。
「へいへい。じゃあ、覚悟しろよ? ……白き月より落ちる影、我が前でさまよえ。夢にたゆたい、うつつに微睡む。汝が忌み名は不吉の前兆。顕現せよ、『放浪者カイ』」
詠唱と共に、少年の前に霧が集束し、中から一人の人影が姿を現す。顔を真っ白な包帯で覆い、ふらふらと身体を揺らすその人外の名は、『放浪者カイ』──幻界第十階位の災害級の『魔』だ。
「ぐ、……ぎ! ……ど、どうだ! びびったかよ?」
実際、月影一族でもないのに『災害級』を召喚したこの少年は、それなりの実力者だと言っていい。しかし、何も知らない保護者たちこそ驚きの声を上げてはいるものの、月召術に詳しいイリナやキリナ、ルヴィナと言った面々は呆れ顔だった。
「……身の丈に合わない無茶をして……暴走寸前じゃない」
ルヴィナはそれを見て、不測の事態に対応できるように身構える。
しかし、直後に起きた『不測の事態』は、そんな彼女の想定をはるかに上回るものだった。
「……ああ、もういいや。めんどくさい。こいつ、気に入らないし……。うん。僕、手加減とか知らないしね」
例によっていつものごとく、ネザクは自分がエリザに注意したことを棚に上げ、危険極まりない言葉を口にする。
「ルシフェル、クリムゾン」
ぶつぶつとつぶやくネザク。
「ああ? なんだ? 恐怖で頭でもおかしくなったか?」
「……おいで」
直後、ネザクの頭上に黒い球体が出現し、そこから漆黒の六枚羽根を持った悪魔が姿を現した。さらに、ネザクの隣に空間の裂け目ができ、そこから紅い人狼が姿を現す。
「ごめんね? 急に呼び出して」
ネザクが言うと、暗界第四階位にして災害級最強の『魔』、ルシフェルは空を旋回しながら、気にするなとばかりに首を振る。
「謝罪不要、我、意気軒昂」
一方、獄界第六階位の『魔』、真紅の人狼クリムゾンは、肩を揺らして豪快に笑う。
「ああ? 俺は呼ばれたつもりはねえぞ? 偶然にここに来たに決まってんだろうが! いいからさっさと俺様にやってほしいことか、殺って欲しい奴を言いやがれ!」
「…………へ?」
一瞬の静寂の後、グラウンド全体が大パニックに陥った。
「う、うわあああああ! あ、悪魔! 悪魔だ!」
「嘘でしょ? なにあれ! なんであんな上位の『災害級』が?」
「こ、この世の終わりだ……う、あ、ああ……」
特に保護者席の混乱は凄まじかった。逃げ惑う人の波が狭い場所にひしめき、身動きを封じることで、ますますパニックが伝染していく悪循環が生まれている。
「う、あ……ひ……う、嘘だ! なんだよ、それ! そんなの……反則だ!」
腰を抜かして尻餅をついているのは、先ほどネザクを馬鹿にした月召術師の少年だ。
「うるさいなあ……。じゃあ、ルシフェル……って、あれ? どこに行ったのかな?」
ネザクが見上げた先に、ルシフェルの姿が無い。きょろきょろと見回せば、グラウンドの一角から絹を裂くような悲鳴が上がるのが聞こえた。
「きゃあああ!」
「うわああああ! こっちに来たぞ!」
ルシフェルは恐ろしい速度で、その一角に向けて低く滑空していく。その場に居合わせた者たちの退避は、到底間に合いそうもない。しかし、誰もが大惨事を予測し、思わず目を覆いたくなった、その時のこと。
「我、歓喜! ……何故、制止? 我、貴女、欲、接触! 密着!」
わけのわからない叫び声を上げ、宙を滑空していた姿勢そのままで、ルシフェルは頭を掴まれ、動きを止めていた。
「ルシフェル、うるさい。ネザクが呼んでいる」
小柄で華奢な闇色の髪の少女。彼女の片手はまっすぐ伸ばされ、突進の体勢で動きを止めたルシフェルの額のあたりを押さえている。
「我、ネザク、好! ……我、貴女、大好! 求、抱擁!」
「……抱擁? でも、ネザクが先」
「……駄目?」
「だめ」
「……残念。次回、希望!」
「はやく戻れ」
「承知」
奇妙な会話を続ける悪魔と少女の姿は、しかし、パニックに陥った会場内においては、一部の人間にしか見咎められることは無かったのだった。
「……んで? 俺はどいつを殺せばいいんだ? ネザク」
「え? あ、ああ……」
その『一部の人間』の一人だったネザクは、ルシフェルとリゼルのやり取りに笑いをこらえつつ、至近距離からかけられた声に反応を返す。
「……えっと、クリムゾン?」
「ああ? なんだ?」
目と鼻の先。クリムゾンはネザクの目を覗き込むように顔を合わせている。
「近い」
「おう、近いぜ」
言葉が通じているようで、通じていない。ネザクは溜め息を吐くと、その件については諦めることにした。
「じゃあ、彼を助けてやってくれる?」
ネザクが指差した先には、尻餅をついて失禁した少年と、ゆらりと彼に近づく『放浪者カイ』の姿がある。
「暴走が始まったみたいだし、送還してあげないとね」
「ああ? あんな雑魚の相手なんざ、めんどくせえなあ。任せとけ!」
真紅の人狼は、大口を開けて笑いながら、直後、その大口から巨大な火の玉を吐き出した。
「ハッハッハ! 喰らえ! 《豪快気炎》」
吐き出された炎は、幻界第十階位の『魔』を為す術も与えず消滅させていく。
「うん、ありがと」
「ああ? 礼なんざいらねえよ」
どうでも良さそうに頭を掻くクリムゾン。そして、さらに……
「我、帰還! ネザク! 指示! 終了後、我、リゼルアドラ様、抱擁!」
かつて世界を恐怖に陥れた漆黒の悪魔は、エサをお預けにされた犬のような顔でネザクに指示を催促するのだった。
それから──混乱が収拾するまでの間。
「……ネザクはあたしに、何て言ったんだっけ?」
「ご、ごめんなさい……」
グラウンドには、しっかりと正座させられて、エリザから説教を受けるネザクの姿があった。
その後、再び開始された実技訓練は、皆が学院に『魔王ネザク』が在籍することの意味を再認識させられたせいもあり、異様な雰囲気の中で行われている。
だが、それでも神経の太い人間はいるらしく、静まり返ったままの保護者席の一角からは、ひときわ大きな声援が上がっていた。
「あれは……エドガーの母君ではないのか?」
そう指摘したのは、ルーファスだった。彼の指は、その一角を指し示している。
「え? いやいや! 違いますよ。あんなのが俺の母親なわけが……」
が、何故かエドガーは顔を青褪めさせて首を振る。
「エドガー! しっかりね! 母さん、張り切って応援しちゃうんだから!」
日の光を受けて輝く銀髪に、銀の獣耳を生やした一人の女性。外見だけなら二十代と言っても通用しそうな若々しい外見の彼女は、居並ぶ保護者たちの中にあって、ひときわ目立つ存在だった。目鼻立ちの整った顔に天真爛漫な笑みを浮かべ、豊満な胸を揺らせて両手を振りかざしている。身にまとうドレスは、地味ながらも高級感に溢れ、彼女の魅力を際立たせていた。
が、何より目を引くのは、彼女が両手に持った旗のようなものだろう。そこには、『エドガー、ファイト!』の文字がでかでかと書き込まれている。
「いや、どう考えてもあなたのお母さんよね?」
「違いますって、ルヴィナ先輩! あ、あれは、近所のおばさんなんです。いや、まさかおばさんまで応援に来てくれるとはなあ……あはは」
「エドガー! 負けんじゃないわよー! あたしの息子なら十人抜きぐらいして見せなさい!」
もはや趣旨を履き違えた声援を飛ばす彼女の声に、エドガーは頭を抱えて叫ぶ。
「う、うああああ! か、母さん! なんで、なんでよりにもよって、あんたが来てんだよ! 頼むから、恥ずかしいから、帰ってくれええええ!」
「ぬあんですってええ! あなた、それが母親に向かっての言葉!? 後でたっぷり、お尻を叩いてあげるからね!」
「うあああ! もうイヤダアアア!」
そんなやり取りに、周囲の保護者からも爆笑が巻き起こる。だが、ここでようやく場が和んだこともあり、授業参観は元の体裁を取り戻していく。
「……ふふふ。仲がいいのね」
ルヴィナはくすくすと笑いながら、わずかに表情に影を落とす。エルフ族である彼女の父は行方知れずのままであり、彼女の母も『忌み子』の母として一族の中では立場が弱いこともあってか、これまで授業参観に参加したことは無かった。
「ルヴィナ先輩。ほら、あっちを見て」
「え?」
突然、エリザは彼女の袖口を引っ張る。言われた方へ目を向ければ、白髪の女性が二人、立っていた。一人は、言わずと知れた月影の巫女ミリアナ・ファルハウト。彼女はネザクに向かって微笑みながら手を振っている。
そして、もう一人。触れれば壊れてしまいそうな、線の細い女性がいる。彼女はミリアナの隣で、控えめながらもこちらに向かって手を振ってきている。
「……嘘、か、母様?」
震える声を上げながら、母の姿を見つめるルヴィナ。
「うん。ミリアナさんにお願いしたんだ」
「……エリザ。もう、あなたって子は……」
「余計なことしちゃったかな?」
不安そうな顔で見上げてくるエリザ。そんな顔をされてしまえば、ルヴィナも怒るに怒れない。
「ううん。ありがとう。……ちょっと行ってくるわ」
エリザに礼を言いながら、ルヴィナは母の元に駆けだしていく。自分はもう、『忌み子』としての劣等感に苛まれ続けてきた弱い子供ではないのだと、彼女に報告をしなければならない。自分を生んでくれてありがとうと、自分を生んだことを後悔しなくても良いのだと、伝えてあげなくてはならない。
母に駆け寄るルヴィナの視界は、涙で薄く滲んでいた。
「……でも、リリアとルーファスの家族の皆は、ほんとに来てないんだね」
その背中を見送りつつ、エリザは何気なくそんな言葉を口にする。
「そうだな。まあ、俺の場合は本当の家族は戦争で死んでいる。来なくて当然だ」
「あ……ご、ごめん」
「気にするな。最初に言っておかなかった俺が悪い」
落ち込んだ顔をするエリザに、ルーファスは慰めの声をかける。
「もしかして、リリアも?」
「いいえ。わたくしの両親は健在ですわ。でも、彼らとは、わたくしが『吸血の姫』であることが分かった時点で離ればなれになりましたからね。……ほら、そんな顔をしないでくださいな。大丈夫。彼らは伯爵家から莫大な報奨金も受けていますし、一生安泰に暮らせるはずですわよ」
「そうなんだ……」
幼少時の何年間かを一緒に過ごしたであろう実の両親のことを『彼ら』と呼ぶリリアの心情は、エリザにはわからない。
「それより、エリザの御両親はどちらにいますの?」
悲しげな顔をするエリザを気遣うように、リリアは話題を変えてくる。問われてエリザは、保護者席へと目を向けた。ぐるりと視線を一巡させ、そして、目当ての二人を見つけだす。
「あ、いた!」
エリザが指を差すと、当の二人もそれに気づいたらしい。エリザに向かって手を振ってくる。エリザは満面の笑みを浮かべ、二人に手を振りかえしていた。
「あら、意外ですわね」
「え? 何が?」
「いえ、あなたの御両親にしては、穏やかで常識的で頭のよさそうな方たちだなと思って」
「それって、あたしがお転婆で非常識で頭が悪い奴だって言ってるみたいなもんだよね?」
「みたいな、ではありませんわ。……というか、未だに自覚がありませんでしたの?」
「ほんとに酷い!」
冗談を言い合いながら、笑いあう二人。
一方、そんな二人の姿を遠目に見つめるエリザの両親はと言えば……
「でも、さっきの混乱はなんだったんだろうね?」
「ええ……いきなり過ぎて何が起きたのかもわからなかったわね」
保護者席の後ろの方にいた彼らは、ネザクよりエリザの姿を追いかけていたせいもあってか、『肝心の場面』を見逃していたのだった。
「それにしても……なかなか楽しそうな仲間たちじゃないか。良かったよ。仲がよさそうで」
「そうね。最初の説明で『特殊クラス』に配属されていると聞いた時には、びっくりしましたけど、みんな優しそうで良かったわ」
二人で頷きあいながら、安心したように息をついていた。地元の田舎町では特別な存在だった自分の娘も、ここ『英雄養成学院』では普通の生徒として他の子どもと混じって過ごすことができている。そのことに対する安堵の気持ちだった。
「でも、同じクラスにバーミリオンの英雄王の息子さんがいるなんて、すごいわねえ。もしかしたら、玉の輿になるかもしれないわよ?」
「むう、それは凄いな。父親としては少しさびしい気もするが、あのお転婆娘を王族の方が貰ってくれるなら、ありがたいことこの上ないぞ」
もちろん、この二人は身分の違いが大きい以上、そんなことはあり得ないと思っている。軽口や冗談の類のつもりで、そんな楽しい想像を口にしているだけなのだ。
しかしこの後、彼らは自分たちの娘が、想像をはるかに超えた非常識の極みにいることを思い知ることとなる。
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