第２部 第５章 登場人物紹介
本章に登場した人物（登場なしの人物も一部含む）の一覧です。
記載されている情報は本章終了時までのものですので、本章をお読みになってからご覧ください。
なお、○は本章初出の人物、●は前章までで既出の人物（前章登場人物紹介からの追加情報ある場合あり）です。
※年齢は作中初登場時のものであり、作中で誕生日を迎えるような描写が無い限り、変更しません。
□少年魔王と英雄少女
●ネザク・アストライア 年齢：13歳
金髪碧眼の美少年。少年魔王。他者からの影響を自分の力に変えることができる。月を纏い星を抱く、世界の理想の体現者。ただし、学院生たちの中には、最近出回りはじめた『薄い本』を通じて、彼に関して『不埒な妄想』にふける者もいるとかいないとか。
《主な能力》
・黒魔術系『ルナティックドレイン』
自分を知る他者から、その色を問わず『真月』を吸収する特異能力。上位互換として『ルナティック・ハイドレイン』がある。
・白霊術系『ルナティックミラー』
召喚した『魔』を合わせ鏡のように複製する特異能力。
・魔闘術系『ルナティックアームズ』
召喚した『魔』そのものを自身の特異能力として身体に纏う特異能力。
・霊戦術系『ルナティックルール』
他者が召喚した『魔』に魔力を憑依させ、強制的に支配する特異能力。
・月召術系『魔王兵装：無月の天魔錫杖』
星界・月界を問わず、世界全土の『真月』を吸収・増幅し、あらゆる魔法を行使可能な錫杖を召喚する特異能力。
●エリザ・ルナルフレア 年齢：15歳
炎のような赤い髪の少女。英雄少女。星喚術師。月界の『魔』から『星辰の御子』の名で呼ばれ、ルーナからは『ザンゲツの御子』の名で呼ばれる。他人の色恋沙汰が絡むと人が変わったように生き生きとなる。ただし、当人の色恋沙汰は依然として『薄い本』の中だけの話にとどまっている模様。
《主な能力》
・星喚術系『英雄兵装：斬月の降魔神剣』
月を斬り、魔を降し、星の力を自在に操る神剣を召喚する特異能力。
□その他、学院の特殊クラス
●リリア・ブルーブラッド 年齢：15歳
白金の髪をツインテールにした蒼い瞳の少女。吸血の姫。北の国家、黎明の国『プラグマ伯爵領』に百年に一度生まれる蒼い血の娘。霊界第三階位『冥府血統ブルーブラッド』。彼女が幼いころから憧れ続けた『白馬の王子様』の幻想は、これまで何度となく自分が抹殺を試みていたダークエルフの少年の『性質の悪さ』による誤解を経て、結果的には実現に至ったようである。
《主な能力》
・霊界第三階位『鏡化吸月』
吸血した対象の術の力を一時的に使用可能とする特異能力。
・『限りなく澄んだ月の牙』
『鏡化吸月』の上位互換。対象から色を問わずに『真月』を吸収し、浄化して自身の力に変えて放つことができる。
・黒魔術系『黒雷破』または『水鏡兵装：黒雷弓』
相手の精神を侵食し、肉体を焼き焦がす黒雷を放つ特異能力。
・白霊術系『白炎陣』または『水鏡兵装：白炎装』
一定範囲内に接近した敵性体を焼き尽くす白炎を放つ特異能力。
・魔闘術系『紅天爪』または『水鏡兵装：紅天槍』
吸血（吸月）の力を有する紅く鋭い刃を肉体に生じさせる特異能力。
・霊戦術系『明鏡止水』または『水鏡兵装：明鏡止水の反射障壁』
あらゆる力を鏡に映して反射する、『吸血の姫』が誇る最強の盾を生み出す特異能力。
・霊戦術『水鏡法術：明鏡止水の夢幻楼閣』
都市レベルの大規模構造物に魔力を憑依させる、『吸血の姫』としても前代未聞の特異魔法。憑依させたものに仕掛けられたあらゆる攻撃を反射する。
※エリザからの『吸血』の結果、彼女の特異能力は『水鏡兵装』へと昇華。
●エドガー・バーミリオン 年齢：16歳
銀の髪から獣耳を生やし、ふさふさとした銀の尾を持つ少年。魔闘術師。獣人の中でも特に強靭な肉体を持った銀狼族。五英雄の一人、銀牙の獣王イデオン・バーミリオンの息子。『星心克月』の才能はないものの、黒霊賢者に師事することで、特殊な技能を身に着けた。ルヴィナの変化を見る限り、彼の『悲願』達成も間近なのかもしれない。
《主な能力》
・魔闘術『黒糸夢爪』
血を染み込ませた糸を身体の一部と同様に操ることで、黒人形を操作することができるほか、糸そのもので敵を捕縛したり切り刻んだりすることが可能な固有技。
●ルヴィナ・ハーティシア 年齢：17歳
長く白い髪に銀の瞳をした少女。月影一族（エルフ族との混血児）。白霊術師かつ月召術師。優れた白霊術の使い手でありながら、同時に強力な『魔』を召喚する。最近ではエドガーのことを見直してきているらしく、無自覚ながらも彼の言動に嫉妬する素振りも見られる。
《主な能力》
・月召術と白霊術『白霊戦術』
戦術級の『魔』の能力のみを白霊術で具現化する固有技。
●ルーファス・クラスタ 年齢：18歳
黒髪に深緑の瞳、女性的な白い顔に斜めに走る刀傷が印象的な少年。ダークエルフ族。白霊術師。性質が悪くて都合が悪く、察しが悪くて間が悪い──そんな恐るべき彼の特異体質（？）は、ついに『吸血の姫』の心を射止めることとなった。
《主な能力》
・白霊術『白霊剣技』
周囲の風を操って自在に身体を動かし、多種多彩な武器を生み出し攻撃する固有技。
・白霊術『並列魔法』
イメージの力で多数の魔法を同時並列的に処理することで、設置型、遅延発動型などの多彩な白霊術を使用できる固有技。
・白霊術『森羅万象の因数分解』
世界最弱の魔法。粒子単位で発動する無数の魔法の集合体を気の遠くなるような集中力で制御するルーファスの特異魔法。
□五英雄
●アルフレッド・ルーヴェル 年齢：26歳
落ち着いた蒼い眼差しに、癖のある薄茶色の髪をした青年。星霊剣士。白霊術師かつ星喚術師。十年前に邪竜を倒した五英雄の一人。英雄養成学院の設立者でもある。イデオンとの一騎打ちに敗北したこともあるが、仲間と力を合わせての戦いなら右に出る者はいない強さを発揮する。最近では、特殊クラスについて『放任主義』を貫いている模様。今回、『狂気』の影響によりダウンを余儀なくされてしまった。
《主な能力》
・星喚術：星具『星霊剣レーヴァ』
白霊術の増幅媒体ともなる剣を生み出す特異魔法。
・星喚術：星具『星霊楯ラルヴァ』
防御壁となる菱形の光を周囲に展開する特異魔法。はっきりした形を持たない珍しい星具。
●ミリアナ・ファルハウト 年齢40（？）歳 ※本編には登場なし
白い髪に銀の瞳の女性で、巫女服に身を包んでいる。月影の巫女。月召術師。十年前の邪竜戦争における五英雄の一人。当時は強力な災害級の『魔』であるリンドブルムを駆り、戦場で多大な戦果を挙げていた。『おばさん』は禁句。邪竜がまき散らした『狂気』はクレセント王国にも波及しているはずだが、彼女の状況は不明。
●アズラル・エクリプス 年齢31歳
黒い髪に黒縁眼鏡をかけた細身の男性。変態……ではなく、黒霊賢者。霊戦術師かつ黒魔術師。十年前の邪竜戦争における五英雄の一人にして、『戦場の悪魔』の異名を持つ。今回は『星界』と『邪竜』の謎について鋭い考察を行うなど、賢者としての面目躍如といえる成果もあったものの、『狂気』の影響によりダウンを余儀なくされてしまった。
《主な能力》
・黒魔術と霊戦術『黒霊術』
精神を他の器物に憑依させたり、器物に擬似的な精神を与えたりといった特殊な効果の多い『挟間の子』の特異魔法。
●イデオン・バーミリオン 年齢36歳 ※本編には登場なし
銀の髪を短く刈り込んだ精悍な顔つきの銀狼族。銀牙の獣王。魔闘術師。十年前の邪竜戦争における五英雄の一人。エドガーの父親であり、武骨で不器用、あつくなりやすい武人。アルフレッドに一騎打ちで勝利するほどの実力者。邪竜がまき散らした『狂気』は獣人国家バーミリオンにも波及しているはずだが、彼の状況は不明。
《主な能力》
・魔闘術『銀牙の獣王』
爆発的に増幅させた魔力で肉体を獣化モードに変化させ、飛躍的に近接戦闘能力を高める特異魔法。
●アリアノート・ミナス 年齢24歳
新緑の髪に深緑の瞳をした女性。現在の星界唯一のハイエルフ。白星弓の守護妖精。最強の魔法使い。星喚術師かつ白霊術師。一見すると年若い少女に見えるが、成人した女性である。十年前の邪竜戦争における五英雄の一人。幻樹王の呪縛から解放されたのも束の間のこと、今度は邪竜がまき散らした『狂気』により、ダウンを余儀なくされた。
《主な能力》
・星喚術：星具『白星弓シャリア』
白霊術の増幅媒体ともなるとともに、実体のない自然の力を矢の形に固める弓を生み出す特異魔法。
・白霊術：『命萌ゆる新緑の大地』
ハイエルフの特異魔法。イメージの力で自身とその周囲の味方を大地に還元し、再び具現化することであらゆる攻撃を無効化し、あらゆる傷を回復する。
・白霊術：『弓月の白霊砲』
極めて強力な超長距離狙撃魔法であり、『弓張り月の結界』を媒体とするハイエルフの特異魔法。
□月界の『魔』
●宵闇の女神ネメシス 年齢：不明
『黒月』。暗界第一階位の『魔』。伝説級。前回、『映し身』としてのカグヤが力を解放したことで、一時的に『星心障壁』の内側に自身を投影することに成功したものの、最後には意味深な言葉を残して還っていった。
《主な能力》
・暗界第一階位『わたしの闇』
『黒月』の願い。ネメシスいわく「『あのヒト』の光射す心月の地を……染め上げ、同化し、共にあり、やがて『灰色』になる。すべては、『あのヒト』に『真のわたしたち』を見てもらうために」
●暗愚王リゼルアドラ 年齢：不明
闇色の髪と紫紺の瞳を持つ美女。今では学院の制服を身に纏うクールな印象の美少女となっている。かつて人々を恐怖と絶望の淵に叩き込んだ暗界第二階位、伝説級の『魔』である……はずだが、あらゆる意味で残念な魔人。とはいえ、ネザクの中に理想を見出し、彼を護り、彼を慈しむことに注力する彼女の想いに嘘偽りはない。
《主な能力》
・暗界第二階位『星心黒月』
星界そのものにすら、『思い込み』の力を作用させる特異能力。
●幻霧の姫神シーラ 年齢：不明
『白月』。幻界第一階位の『魔』。伝説級。愛しい憧れの相手に同化することを切望するモノ。幻樹王が『星辰の御子』を取り込んだことを契機に顕現を果たしたものの、同じく顕現した『ネメシス』とリゼルに敗れ、『星心障壁』の外へと還っていった。
《主な能力》
・幻界第一階位『わたしは星辰』
『白月』の願い。
●死霊の女王アクティラージャ 年齢：不明
『蒼月』が司る霊界第五階位の『魔』。災害級。蒼髪の妖艶な美女。イリナとキリナと共に学院に棲みついた彼女は、ネザクと『触れ合う』なかで、『染色本能』を克服するようになった。それでもネザクと『触れ合う』ことを止めないのは、『染色本能』ばかりが理由ではないらしい。試験会場では、そのサディスティックな振る舞いで受験生たちを大いに震え上がらせた。
《主な能力》
・霊界第五階位『屍斬血牙』
死者の思念を武器化する特異能力。
●真紅の人狼クリムゾン 年齢：不明
『紅月』が司る獄界第六階位の『魔』。災害級。真っ赤な体毛の狼男。獄界の獣らしい粗野な性格ではあるが、ネザクに対してはツンデレ気味に優しい人狼。試験会場ではその好戦的な振る舞いで受験生たちを大いに震え上がらせた。
《主な能力》
・獄界第六階位『豪快気炎』
燃え滾る炎の塊を口から吐き出す特異能力。
●堕落天王ルシフェル 年齢：不明
『黒月』が司る暗界第四階位の『魔』。災害級。六枚羽根を持つ漆黒の悪魔。数百年前には星界を恐怖に陥れたこともある『悪魔』。何故か漢字でしか喋らない。ネザクのことは好き。リゼルアドラのことは大好き。試験会場では、召喚された『魔』の中でも最も凶悪な暴れっぷりを見せており、受験生たちを大いに震え上がらせた。
《主な能力》
・暗界第四階位『絶対禍塵』
触れる物を必ず破壊する特異能力。リゼルの『暗く愚かな闇の果て』に近い能力
○暗黒の帝王ブラックバロック 年齢：不明
『黒月』が司る暗界第五階位の『魔』。災害級。豪奢な鎧を身に纏い、王冠を被った威厳ある老人の姿をしている。試験会場では、自身の特異能力こそ発揮しなかったものの、重厚な存在感そのもので受験生たちを大いに震え上がらせた。
《主な能力》
・暗界第五階位『強制死配』
相対する者を平伏させ、命を差し出させる特異能力。
○幽玄の聖女メルリア 年齢：不明
『白月』が司る幻界第六階位の『魔』。災害級。純白の髪を長く伸ばした美女。試験会場では、人々を惑わせ、迷わせ、生きる希望さえ奪い取る幻惑の力を振るい、受験生たちを大いに震え上がらせた。
《主な能力》
・幻界第六階位『誤理霧中』
善悪・虚実・正誤といったあらゆる判断を不能にする霧を生み出す特異能力。
□その他学院関係者等
●エルムンド・ギエナビク 年齢：54歳
外れやすい顎を持つ（？）初老の男性。学院の副院長。学院経営や教育に不慣れなアルフレッドを支えてきた人物。常識人ではあるが、どんなに身分の高い生徒でも特別扱いしないという徹底した方針を持つ優れた教育者。その真面目な性格ゆえに、アルフレッドのような『放任主義』に至ることができないでいる。
●カグヤ・ネメシス 年齢：24歳
黒衣黒髪の妖艶な美女。黒の魔女。黒魔術師。生まれた時に宵闇の女神の力に魅入られた魂の持ち主。最近ではアルフレッドと夕食を共にする機会も増えてくるなど、徐々にその鉄壁の牙城が崩れつつあるらしい。邪竜の『狂気』に対しては、ただ一人、ダウンを免れている。
《主な能力》
・暗界第一階位の映し身『わたしの闇』
宵闇の女神の力。彼女が常に衣服のように身にまとっている《闇》。あらゆる魔法を吸収する特異魔法。
●イリナ・ファルハウト 年齢：15歳 ※本編には登場なし
月影一族の双子姫。月召術師。月影の巫女ミリアナの娘で、白い髪と銀の瞳をした一見お淑やかな少女。ただし、その実態は、やたらとネザクに命令をさせたがる奴隷気質の持ち主。恋愛経験豊富（ただし、妄想限定）なお姉さん。出番こそなかったが、少年魔王の『薄い本』が出回り始めた時点で、彼女たちがどんな行動に出たのかは、想像に難くない。
●キリナ・ファルハウト 年齢：15歳 ※本編には登場なし
月影一族の双子姫。月召術師。月影の巫女ミリアナの娘で、白い髪と銀の瞳をした一見気品のある少女。ただし、その実態は、やたらとネザクを管理したがるご主人様気質の持ち主。実はメンバーの中で一番の危険人物であり、その毒牙は未来の『二人の子ども』にまで向かいつつあるらしい。出番こそなかったが、少年魔王の『薄い本』が出回り始めた時点で、彼女たちがどんな行動に出たのかは、想像に難くない。
●シュリ・マルクトクァール 年齢：17歳
短めの金髪から金の猫耳を生やし、しなやかな金の尾を持つ少女。魔闘術師かつ霊戦術師の『狭間の子』。獣人族の中でも敏捷性に定評のある金虎族。とある英雄養成学院で副院長補佐の秘書を務める優秀な少女であり、唯一彼女を買収する方法があるとすれば、『サンマ定食』だけである。
《主な能力》
・魔闘術と霊戦術『魔戦術』
本来、非生物にしか作用できない霊戦術を魔闘術のように他者へ作用させる『挟間の子』の特異魔法。月獣を操る際に、その肉体を強化・変化させる。
●エリック・ヴェスターグ 年齢：33歳
魔王ネザクの第一の騎士。無精髭を生やしていたが、とある出来事がきっかけで髭を剃るようになった。かつてはリールベルタ王国の魔導騎士団に所属していたこともある。『サンマ定食』ひとつで自分の秘書を買収された哀れな男。
●ルカ・フローレンス 年齢：16歳
ブラウンの髪を三つ編みにしたメイド。天性の才能（？）を持つがゆえに、リゼルに弟子入りされてしまった不幸な少女。『学食のメイドさん』。彼女の大いなる『野望』は、世界を変える。
●リラ・レミグランス 年齢：16歳
短めの黒髪に幼い顔立ちをしたメイド。ルカの親友で、可愛いものが大好きな『学食のメイドさん』。おっとりとした性格のように見えて、ルカの野望を助けるべく彼女の参謀役を務めるなど、特定の事柄（主に可愛いもの絡み）に関しては、かなり過激な行動をとることもある。
●エレナ・リールベルタ 年齢：４歳
可愛らしい金髪の幼女。リールベルタ王国の王女殿下。世界征服を目指す魔王ネザクを実効支配下（？）に置いているほか、未来の英雄たちを次々と籠絡している稀代の悪女。ついには大国の姫君まで手中に収め、虎視眈々と大国の王子を我がものとすべく暗躍を開始した。
●ロザリー・エレンタード 年齢：15歳
大陸中央の華、エレンタード王国の可憐な王女様。最近では辺境の王女エレナと同盟軍を結成し、恋のライバルであるエリザを出し抜くための作戦を練っている。ただし、『作戦会議』の内容自体は、『四歳の幼女と菓子をつまみながらお茶会に興じる』というものになっており、その実効性は怪しいものがある。
□プラグマ伯爵領
○アルマリー・ゴルドウィン・プラグマ 年齢：36歳
プラグマ伯爵家の当主。灰色がかった頭髪に、洗練された身なりの貴族。一方、伯爵家のためならリリアの家族を人質にとるような非道な振る舞い辞さない。ただし、己の見たくないものから目を逸らすような惰弱な面もあり、その点をルーナに付け込まれて『狂気の挙式』を敢行したが、最後には戦いの炎に巻きこまれて死亡する。
○ダニエル・シルバリア・プラグマ 年齢：17歳
プラグマ伯爵家の次期当主。肥満体型で頭も悪く、女性にだらしがない。いわゆるドラ息子。いつの間にか近づいてきていたルーナを愛人としていたが、その実、彼女によって化け物に改造されており、最後は式典会場でリリアに襲い掛かろうとしたところをルーファスに邪魔され、彼の魔法によって焼失する。
□ルーナ陣営
○ルーナ・クライステラ 年齢：不明
リゼルいわく、『心月』の映し身。ダニエルの愛人として伯爵家の城に入り込んでいた紅い髪の美女。現在では、伯爵領軍最高司令官を拝命している。『心月の邪竜』を操り、蒼月を除く三つの『月の牙』さえも手中に収めるなど、その実力は計り知れない。
○心月の邪竜 年齢：不明
造形は十年前の『新月の邪竜』そのものだが、鱗は紅・白・蒼・黒の四色に輝く不気味な姿をしている。エクリプスの『亡霊船』でさえ全く問題にしない力を有し、行きあたる者を残らず飲み干すなど、規格外の力を持った化け物。
●霊賢王ミナレスハイド 年齢：不明
『蒼月』が司る霊界第二階位の『魔』。伝説級。ネザクに倒され、獄獣王に散らされ、幻樹王に同化されるなどの不運を乗り越え、ルーナの手によって再度復活を果たした。
《主な能力》
・霊界第二階位『絶体王星』
星界そのものに魔力を憑依させ、周囲のすべてを意のままに操る特異能力。
●獄獣王グランアスラ 年齢：不明
『紅月』が司る獄界第二階位の『魔』。伝説級。エリザとの戦いに敗れ、滅びたものと思われていたが、『月の牙』とルーナの力により復活を果たした。
《主な能力》
・獄界第二階位『掠式星装』
星界そのものを肉の鎧として纏うことで、『星心障壁』を超えないままに力を振るう特異能力。
●心象暗景メイズフォレスト 年齢：不明
暗界第三階位の『月の牙』。『欲望の迷宮』の名で呼ばれる、ダンジョンそのものだったもの。ルーナの求めに呼応して彼女の元に参集し、暗黒宮殿メイズパレスを生み出した。
《主な能力》
・暗界第三階位『欲望怪奇』
近づく人間の独占欲や欲望を刺激し、迷宮に誘い込む特異能力。
●演武魔獄ブレイヴプリズン 年齢：不明
獄界第三階位の『月の牙』。『修羅の演武場』の名で呼ばれる、遺跡そのものだったもの。獄獣王が滅びる寸前、自身の血気を媒介にその魂を回収し、『真月』の補給を続けていた。ルーナの求めに呼応して彼女の元に参集し、獄獣王グランアスラの新たな肉体となった。
《主な能力》
・獄界第三階位『血気集回』
生き物の闘争心を刺激し、相争わせて生まれる血気を吸収・増幅して再利用する特異能力。
●神霊原木エルシャリア 年齢：不明
幻界第三階位の『月の牙』。『白霊樹』の名で呼ばれ、森林国家ファンスヴァールの守護神ともいうべき存在だったもの。同化していた幻樹王が滅んだことで行き場を失っていたが、ルーナの求めに呼応して彼女の元に参集し、『白月の異兵』を生み出すこととなった。
《主な能力》
・幻界第三階位『白化繚乱』
森に這わせた根から『星辰』を吸収し、森に生まれる命に注ぎ込むことで彼らの宿す『真月』との同化を促進する特異能力。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
ここまでが「第２部 第５章 魔王と英雄と狂気の挙式」になります。
次話からは「第２部 最終章 見つめあう二人」が始まります。
