第2部 第3章 登場人物紹介
本章に登場した人物(登場なしの人物も一部含む)の一覧です。
記載されている情報は本章終了時までのものですので、本章をお読みになってからご覧ください。
なお、○は本章初出の人物、●は前章までで既出の人物(前章登場人物紹介からの追加情報ある場合あり)です。
※年齢は作中初登場時のものであり、作中で誕生日を迎えるような描写が無い限り、変更しません。
□少年魔王と英雄少女
●ネザク・アストライア 年齢:13歳
金髪碧眼の美少年。少年魔王。他者からの影響を自分の力に変えてしまう、『何もない』少年。ヴァーミリオンを襲った『獣の災厄』事件では、国中の『月獣』を自分の元に呼び集めて殲滅し、結果として国を守った一番の功労者となった。ただし、夢中になりすぎて城の防衛を忘れていたことは内緒である。
《主な能力》
・黒魔術系『ルナティックドレイン』
自分を知る他者から、その色を問わず『真月』を吸収する特異能力。
・白霊術系『ルナティックミラー』
召喚した『魔』を合わせ鏡のように複製する特異能力。
・魔闘術系『ルナティックアームズ』
召喚した『魔』そのものを自身の特異能力として身体に纏う特異能力。
・霊戦術系『ルナティックルール』
他者が召喚した『魔』に魔力を憑依させ、強制的に支配する特異能力。
・月召術系『魔王兵装:無月の天魔錫杖』
星界・月界を問わず、世界全土の『真月』を吸収・増幅し、あらゆる魔法を行使可能な錫杖を召喚する特異能力。
●エリザ・ルナルフレア 年齢:15歳
炎のような赤い髪の少女。英雄少女。星喚術師。月界の『魔』から『星辰の御子』の名で呼ばれる。今回の『獣の災厄』事件に置いては、相変わらずの猪突猛進振りを発揮しつつも敵の首魁を撃破し、英雄王イデオンを救出する活躍を見せた。ただし、『暗愚王』に無茶をたしなめられるという偉業を達成し、少しへこんでしまったことは秘密である。
《主な能力》
・星喚術系『英雄兵装:斬月の降魔神剣』
月を斬り、魔を降し、星の力を自在に操る神剣を召喚する特異能力。
□その他、学院の特殊クラス
●リリア・ブルーブラッド 年齢:15歳
白金の髪をツインテールにした蒼い瞳の少女。吸血の姫。北の国家、黎明の国『プラグマ伯爵領』に百年に一度生まれる蒼い血の娘。霊界第三階位『冥府血統ブルーブラッド』。エリザからの吸血の結果、血は赤くなっている。『マハの花嫁』、『限りなく澄んだ水』などの異名がある。エリザのために道を切り開く活躍ぶりを見せたが、その代償としてルーファスにあられもない姿も見せる羽目になってしまった。
《主な能力》
・霊界第三階位『鏡化吸月』
吸血した対象の術の力を一時的に使用可能とする特異能力。
・黒魔術系『黒雷破』または『水鏡兵装:黒雷弓』
相手の精神を侵食し、肉体を焼き焦がす黒雷を放つ特異能力。
・白霊術系『白炎陣』または『水鏡兵装:白炎装』
一定範囲内に接近した敵性体を焼き尽くす白炎を放つ特異能力。
・魔闘術系『紅天爪』または『水鏡兵装:紅天槍』
吸血(吸月)の力を有する紅く鋭い刃を肉体に生じさせる特異能力。
・霊戦術系『明鏡止水』または『水鏡兵装:明鏡止水の反射障壁』
あらゆる力を鏡に映して反射する、『吸血の姫』が誇る最強の盾を生み出す特異能力
※エリザからの『吸血』の結果、彼女の特異能力は『水鏡兵装』へと昇華。
●エドガー・バーミリオン 年齢:16歳
銀の髪から獣耳を生やし、ふさふさとした銀の尾を持つ少年。魔闘術師。獣人の中でも特に強靭な肉体を持った銀狼族。五英雄の一人、銀牙の獣王イデオン・バーミリオンの息子にして、『悪魔の弟子』。『星心克月』の才能はないものの、黒霊賢者に師事することで、特殊な技能を身に着けた。父親の救出に向かった先では、一般民衆を救うことを優先するなど英雄らしさを垣間見せた。
《主な能力》
・魔闘術『黒糸夢爪』
血を染み込ませた糸を身体の一部と同様に操ることで、黒人形を操作することができるほか、糸そのもので敵を捕縛したり切り刻んだりすることが可能な固有技。
●ルヴィナ・ハーティシア 年齢:17歳
長く白い髪に銀の瞳をした少女。月影一族(エルフ族との混血児)。白霊術師かつ月召術師。優れた白霊術の使い手でありながら、同時に強力な『魔』を召喚する。以前は蛇蝎のごとく忌み嫌っていた相手とも折り合いをつける寛容さを有しているが、時折口を突いて出る言葉の物騒さ加減は相変わらず。
《主な能力》
・月召術と白霊術『白霊戦術』
戦術級の『魔』の能力のみを白霊術で具現化する固有技。
●ルーファス・クラスタ 年齢:18歳
黒髪に深緑の瞳、女性的な白い顔に斜めに走る刀傷が印象的な少年。ダークエルフ族。白霊術師。性質が悪くて都合が悪く、察しが悪くて間が悪い──特異体質(?)を有している。はたして彼は死の間際、いったい何を見たのだろうか?
《主な能力》
・白霊術『白霊剣技』
周囲の風を操って自在に身体を動かし、多種多彩な武器を生み出し攻撃する固有技。
・白霊術『並列魔法』
イメージの力で多数の魔法を同時並列的に処理することで、設置型、遅延発動型などの多彩な白霊術を使用できる固有技
□五英雄
●アルフレッド・ルーヴェル 年齢:26歳
落ち着いた蒼い眼差しに、癖のある薄茶色の髪をした青年。星霊剣士。白霊術師かつ星喚術師。十年前に邪竜を倒した五英雄の一人。英雄養成学院の設立者でもある。イデオンとの一騎打ちに敗北したこともあるが、仲間と力を合わせての戦いなら右に出る者はいない強さを発揮する。何はともあれ、エリザには感謝すべき。
《主な能力》
・星喚術:星具『星霊剣レーヴァ』
白霊術の増幅媒体ともなる剣を生み出す特異魔法。
・星喚術:星具『星霊楯ラルヴァ』
防御壁となる菱形の光を周囲に展開する特異魔法。はっきりした形を持たない珍しい星具。
●ミリアナ・ファルハウト 年齢40(?)歳
白い髪に銀の瞳の女性で、巫女服に身を包んでいる。月影の巫女。月召術師。十年前の邪竜戦争における五英雄の一人。当時は強力な災害級の『魔』であるリンドブルムを駆り、戦場で多大な戦果を挙げていた。『おばさん』は禁句。随分長く粘ったものの、今回ついに帰国となった。
●アズラル・エクリプス 年齢31歳
黒い髪に黒縁眼鏡をかけた細身の男性。変態……ではなく、黒霊賢者。霊戦術師かつ黒魔術師。十年前の邪竜戦争における五英雄の一人にして、『戦場の悪魔』の異名を持つ。《影法師》という非常に便利な魔法のおかげで、地味ながらも大活躍している。
《主な能力》
・黒魔術と霊戦術『黒霊術』
精神を他の器物に憑依させたり、器物に擬似的な精神を与えたりといった特殊な効果の多い『挟間の子』の特異魔法。
●イデオン・バーミリオン 年齢36歳
銀の髪を短く刈り込んだ精悍な顔つきの銀狼族。銀牙の獣王。魔闘術師。十年前の邪竜戦争における五英雄の一人。エドガーの父親であり、武骨で不器用、あつくなりやすい武人。アルフレッドに一騎打ちで勝利するほどの実力者だが、獄獣王の前に敗北し、肉体を『纏われて』いた。エリザに救出されるものの、彼女に『恐妻家』であるという弱みを握られてしまう。
《主な能力》
・魔闘術『銀牙の獣王』
爆発的に増幅させた魔力で肉体を獣化モードに変化させ、飛躍的に近接戦闘能力を高める特異魔法。
●アリアノート・ミナス 年齢24歳
新緑の髪に深緑の瞳をした女性。現在の星界唯一のハイエルフ。白星弓の守護妖精。最強の魔法使い。星喚術師かつ白霊術師。一見すると年若い少女に見えるが、成人した女性である。十年前の邪竜戦争における五英雄の一人。胸のことは禁句。『最強の魔法使い』の二つ名は、『魔法使いとして最強』という意味以上に、『「最強の魔法」を使える魔法使い』の意味が大きい。
《主な能力》
・星喚術:星具『白星弓シャリア』
白霊術の増幅媒体ともなるとともに、実体のない自然の力を矢の形に固める弓を生み出す特異魔法。
・白霊術:『命萌ゆる新緑の大地』
ハイエルフの特異魔法。イメージの力で自身とその周囲の味方を大地に還元し、再び具現化することであらゆる攻撃を無効化し、あらゆる傷を回復する。
・白霊術:『弓月の白霊砲』
極めて強力な超長距離狙撃魔法であり、『弓張り月の結界』を媒体とするハイエルフの特異魔法。
□月界の『魔』
●暗愚王リゼルアドラ 年齢:不明
闇色の髪と紫紺の瞳を持つ美女。今では学院の制服を身に纏うクールな印象の美少女となっている。かつて人々を恐怖と絶望の淵に叩き込んだ暗界第二階位、伝説級の『魔』である……はずだが、あらゆる意味で残念な魔人。このたび、生まれて初めて他人の無茶をたしなめるという経験をした。
《主な能力》
・暗界第二階位『星心黒月』
星界そのものにすら、『思い込み』の力を作用させる特異能力。
○魔獄の闘神ゾア 年齢:不明 ※本編には直接的には登場せず
『紅月』。獄界第一階位の『魔』。伝説級。獄獣王グランアスラの生みの親であり、四肢を裂かれてなお、喜びの声を上げるモノ。
《主な能力》
・獄界第一階位『染血の我が君』
『紅月』の願い。
○獄獣王グランアスラ 年齢:不明
『紅月』が司る獄界第二階位の『魔』。伝説級。『修羅の演武場』で『月獣』たちを争わせ、大地に『血気』が満ちたことにより、『星界』を纏って顕現した。銀牙の獣王イデオンの肉体を乗っ取り、エリザの前に姿を現す。『染色本能』を超えた『闘争本能』を持つ『魔』の王の一人。
《主な能力》
・獄界第二階位『掠式星装』
星界そのものを肉の鎧として纏うことで、『星心障壁』を超えないままに力を振るう特異能力。
○演武魔獄ブレイヴプリズン 年齢:不明
獄界第三階位の『月の牙』。『修羅の演武場』の名で呼ばれる、遺跡そのもの。月獣の闘争心を刺激して演武場内に誘い込み、戦わせることで『血気』を養い、それを元に新たな『月獣』を生み出す。獄獣王の能力とリンクすることで、無限に再生する肉の大地や獄界の『魔』を顕現させることが可能。
《主な能力》
・獄界第三階位『血気集回』
生き物の闘争心を刺激し、相争わせて生まれる血気を吸収・増幅して再利用する特異能力。
●霊賢王ミナレスハイド 年齢:不明
『蒼月』が司る霊界第二階位の『魔』。伝説級。『亡霊船』が破壊された影響で星界に『蒼の気配』が満ちたことにより、その影を顕現したがネザクに敗れる。その後、獄獣王にネザクを倒すよう促すものの、逆に獄獣王によって吹き散らされてしまう。『染色本能』を超えた『支配本能』を持つ『魔』の王の一人。
《主な能力》
・霊界第二階位『絶体王星』
星界そのものに魔力を憑依させ、周囲のすべてを意のままに操る特異能力。
●死霊の女王アクティラージャ 年齢:不明
『蒼月』が司る霊界第五階位の『魔』。災害級。蒼髪の妖艶な美女。イリナとキリナと共に学院に棲みついた彼女は、ネザクと『触れ合う』なかで、『染色本能』を克服するようになった。それでもネザクと『触れ合う』ことを止めないのは、『染色本能』ばかりが理由ではないかららしい。
《主な能力》
・霊界第五階位『屍斬血牙』
死者の思念を武器化する特異能力。
□その他の学院関係者等
●エルムンド・ギエナビク 年齢:54歳
外れやすい顎を持つ(?)初老の男性。学院の副院長。学院経営や教育に不慣れなアルフレッドを支えてきた人物。常識人ではあるが、どんなに身分の高い生徒でも特別扱いしないという徹底した方針を持つ優れた教育者。『あの組織』との戦いに身を削る毎日を送る彼は、最近ではもっぱら胃に優しくて栄養満点な『スペシャル定食:副院長先生仕様(ただしお値段据え置き)』を食しているらしい。
●カグヤ・ネメシス 年齢:24歳
黒衣黒髪の妖艶な美女。黒の魔女。黒魔術師。ネザクに星界で最も強烈な『個性』を与えるべく、『魔王』として『世界征服』を目指させていた。エリザのおかげか、最近ではアルフレッドのことを見直しつつあるらしい。
《主な能力》
・???『わたしの闇』
宵闇の女神の力。彼女が常に衣服のように身にまとっている《闇》。あらゆる魔法を吸収する特異魔法。
●イリナ・ファルハウト 年齢:15歳
月影一族の双子姫。月召術師。月影の巫女ミリアナの娘で、白い髪と銀の瞳をした一見お淑やかな少女。ただし、その実態は、やたらとネザクに命令をさせたがる奴隷気質の持ち主。恋愛経験豊富(ただし、妄想限定)なお姉さん。はたしてネザクを青褪めさせる『恋愛指南』──その中身とは?
●キリナ・ファルハウト 年齢:15歳
月影一族の双子姫。月召術師。月影の巫女ミリアナの娘で、白い髪と銀の瞳をした一見気品のある少女。ただし、その実態は、やたらとネザクを管理したがるご主人様気質の持ち主。実はメンバーの中で一番の危険人物であり、その毒牙は未来の『二人の子ども』にまで向かいつつあるらしい。
●シュリ・マルクトクァール 年齢:17歳
短めの金髪から金の猫耳を生やし、しなやかな金の尾を持つ少女。魔闘術師かつ霊戦術師の『狭間の子』。獣人族の中でも敏捷性に定評のある金虎族。祖国の危機に馳せ参じた、もう一人の救国の英雄少女。
《主な能力》
・魔闘術と霊戦術『魔戦術』
本来、非生物にしか作用できない霊戦術を魔闘術のように他者へ作用させる『挟間の子』の特異魔法。月獣を操る際に、その肉体を強化・変化させる。
●エリック・ヴェスターグ 年齢:33歳
魔王ネザクの第一の騎士。無精髭を生やしていたが、とある出来事がきっかけで髭を剃るようになった。かつてはリールベルタ王国の魔導騎士団に所属していたこともある。エレナの帰国に同行し、黒の魔女に鍛えられた強心臓でもって、かつての主君を相手に堂々と渡り合ってみせた。
●ルカ・フローレンス 年齢:16歳
ブラウンの髪を三つ編みにしたメイド。天性の才能(?)を持つがゆえに、リゼルに弟子入りされてしまった不幸な少女。『学食のメイドさん』。最近では、リゼルのみならずルーファスの師匠役まで勤めているが、教える知識の偏りは否めないところ。
●リラ・レミグランス 年齢:16歳
短めの黒髪に幼い顔立ちをしたメイド。ルカの親友で、可愛いものが大好きな『学食のメイドさん』。学院内でも友人を着々と増やすことで情報を収集し、副院長との駆け引き(学食メニューの注文)でも優位に立つなど、八面六臂(?)の活躍を見せている。
●エレナ・リールベルタ 年齢:4歳
可愛らしい金髪の幼女。リールベルタ王国の王女殿下。世界征服を目指す魔王ネザクを実効支配下(?)に置いているほか、未来の英雄たちを次々と籠絡している稀代の悪女。帰国した際には、両親に向かって驚天動地の爆弾発言(エドガー限定)を口にした。
□リールベルタ王国
●ダライア二世(ダライア・リールベルタ) 年齢:31歳
西方の辺境国家リールベルタ王国の国王。魔王一味に愛娘エレナを誘拐されていた間、彼女の身を案じ続けてきた。しかし、ようやく再会した娘は、こともなげに大国の王子を婿に迎えると言ってのけるなど、それはそれは『たくましく』なっていたのだった。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
ここまでが「第2部 第3章 荒ぶる獣と猛る英雄」になります。
次話からは「第2部 第4章 飲み込む森と意気込む魔王」が始まります。