第17話 あと一息
耐性上げを終え、イフリート達と戦う様になってから3か月経つ。
え?
結果?
戦う様になってからって部分で察してくれ。
ぶっちゃけ、イフリートとシヴァはくっそ強かった。
耐性さえあればとか、もう人間を越えた能力があるとか思ってた俺が、回避不能のワンパンでもんどりうつぐらいに。
【奇跡の生還】込みでもそれは変わらなかった。
なので、そっからはもうずっと訓練訓練、後、たまにぶっ飛ばされて物理耐性と痛み耐性上げの日々よ。
「ふっ!」
イフリートの腕が横に振るわれ、それを後ろに飛んで躱す。
さらにそこに追撃の拳が飛んできたので、俺は両手の2本の剣を交差してそれを受け止める。
いや、受け止めきれずに吹き飛ばされた。
が、正解か。
「ぐぅ……」
腕がへし折れそうだ。
この3か月でレベルは40まで上がり、訓練効果も合わせて俺の身体能力は大幅に上がっている。
だが、それでもイフリートのパワーには……まあスピードもだな。
とにかく、基礎能力ではまだまだ及ばない。
まあそれでも、最初の何も出来なかった頃よりはましだけどな。
因みに、武器である模造刀が折れずにすんでるのは物理耐性の影響だ。
属性系の耐性と同じで、装備品にも耐性が付く仕様となっている。
「くっ!」
更にイフリートが容赦なく畳みかけて来る。
とてもではないが反撃する隙など無く、ただただ攻撃を躱し防ぐだけの状態が続く。
「きた!」
攻撃され続け、全身がボロボロになっていく。
だがこの状態だからこそ、俺には起死回生の手があった。
―—そう、【奇跡の生還】だ。
疲労感と痛みが一瞬で消え去り、体に力が漲ってきた。
この状態の俺は全ての能力が爆上がりする。
「おらぁ!」
イフリートの拳を躱すと同時に、両手の剣を振り下ろしその腕を切り裂く。
模造刀には冷気属性を纏わせているのもあって、大ダメージを確信できる手応えだった。
「はぁ!」
今の状態ならスピードは俺の方が上だ。
腕を引いたイフリートに、俺は更に追撃を仕掛ける。
「ちっ!」
が、攻撃は躱されてしまう。
巨体の化け物の割りに、その判断能力は高いから困る。
だが攻守は交代した。
大幅に上がったスピードとパワー。
そしてこれまでに鍛えた剣術。
イフリートを責め立てるには十分だ。
「おらおらおらおら!」
俺は全力で攻め立てる。
攻めて。
攻めて。
攻めて。
だが、守りに徹したイフリートは手ごわい。
その巨体に似合わず、広い空間を生かしつつ、巧みに俺の攻撃を捌き続ける。
そして――
「くそ……」
時間切れだ。
【奇跡の生還】の効果時間は10分。
それを過ぎると、パワーアップが消え、更にパワーダウンの状態へと変化する。
こうなってしまうともうお手上げだ。
この状態では真面な戦いにもならない。
「頑張ったの」
「惜しかったわよ」
イフリートは俺の攻撃を受けてボロボロの状態だ。
なので、あと一息って所まで来ている。
そう、後ちょっとだ……
いやまあ……シヴァと同時に撃破しないと駄目だから、実際はまだまだ先だろうけど。
2対1ってなると、別次元の戦いになるだろうからな。
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