第12話 炎体
「お!」
3日後爺ちゃん達が返って来たので早速イフリート道場を再開すると、熱耐性のレベルが10になった。
そして派生効果が表示され――
「炎体と熱反撃か」
提示されたのはこの二つだ。
フレイムボディは体表を炎化する事で熱耐性が大幅に上がり、更に炎化した部分を操って炎攻撃が出来る効果だ。
デメリットとして、炎化している間は冷気や水に弱くなり、更に体力を消耗する。
ヒートカウンターは、熱ダメージを受ける事で身体能力が上がるというシンプルなものだ。
喰らえば喰らう程その上昇率は上がる。
「うーん……まあ、フレイムボディかな」
身体能力上昇は魅力的だけど、いま必要なのは熱に対する耐性だし。
それに……体表が炎化する効果の方がビジュアル的にかっこいいしな!
という訳で俺はフレイムボディを選択する。
あ、でもこれ、体表が炎化したら服燃えたりしないよな?
使った瞬間すっぽんぽんとか、カッコイイどころか逆に格好悪いからな。
まあ、熱耐性があるから大丈夫だとは思うけど……
俺の熱耐性は、自分だけではなく身に着けている装備やアイテムにも効果が及ぶ。
そのためイフリートの熱波を受けても服が燃えたりしない仕様だ。
「まあ、とにかく使ってみるか――フレイムボディ!」
俺の全身が炎に包まれる。
ちゃんと服の感触は残ってるので、炎化で燃えて素っ裸って心配はない様だ。
「なんじゃ!?」
「そ、壮太!あんた体が……」
俺の変化に爺ちゃん祖母ちゃんが面食らう。
まあいきなり孫が火だるまになったら、そりゃびっくりするよな。
「ああこれアビリティの効果だから、安心して」
「む……そうなのか」
「アビリティってのは凄いもんだねぇ」
体を包む炎を動かしてみる。
「自由自在だな。じゃあ――」
炎をコントロールして、剣の形を作ってみた。
炎の剣。
名付けて炎王剣だ。
まあ王要素は微塵もないけど、ごろ的にかっこいいからよし。
「これでイフリートを……わ、流石にあれか」
俺は炎王剣を解除する。
炎の剣で炎の魔物を攻撃するとか、全然ダメージでなさそうだから。
まあこの剣はまた別の機会で。
「ふむ……その様子じゃと、相当耐性がついてそうじゃのう。どれ……」
イフリートが熱波を放ってくる。
だが炎化した俺には、もはや涼しいぐらいだ。
イフリートは攻略したも同然――
「あっち!あちゃちゃちゃちゃ!」
熱風の温度がどんどん上がっていき、結局、耐え切れず俺は転げまわるはめに。
めっちゃアッツイ。
半分炎になってもまだ熱いってどういう事よ?
イフリートさん高温すぎ。
「壮太。大丈夫?」
「ありがとう祖母ちゃん」
祖母ちゃんに回復して貰う。
この熱耐性上げは祖母ちゃんありきだ。
回復魔法が無かったら、確実に今の10倍以上時間がかかっていたはず。
有難い事である。
「ふむ……ここまで耐える様になったか」
「まあ今はまだ近づけないけど、その内熱風を克服して見せるから見ててよ」
爺ちゃんは俺の言葉に、何とも言えない顔をする。
きっと俺が諦める事を望んでいるんだろう。
ダンジョン探索は危険だから。
気持が分からなくはない。
けど……俺はイフリートを倒してダンジョンへ行く。
そう決めてるから。
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