第三話 依頼の依頼。
空港から2時間後ようやくセーフハウスに着いた。周りには灌漑されたピスタチオ農園が広がる。
このセーフハウスは非常に広大だ。まず人目に付くところには宿舎が2棟、耕作機械がしまわれている車庫、収穫したピスタチオと言った農業関係をしまう倉庫、事務などのデスクワークをする管理棟がある。地下には洗濯機やフリールームがある。そしてフリールームにある隠し扉の先からがこの施設の真の姿が見えてくる。その先には医療室、射撃練習場、武器保管庫、ブリーフィングルームがあるそしてその先には長い通路がある。その先には山に埋め込まれる形で建設された格納庫と兵舎そしてCQB訓練ルームがある。
とりあえず荷物を宿舎に置きブリーフィングルームに向かう。
「さぁ諸君。ようやく全員集まったところで申し訳ないが早速任務だ。3日前にDEAの捜査官がカサ・デ・ラ・ムエルテに拉致された。」さてここで疑問に思うのは何故あめりかまやくら2時間後ようやくセーフハウスに着いた。周りには灌漑されたピスタチオ農園が広がる。荷物を宿舎に置きブリーフィングルームに集まる。
「さぁ諸君。ようやく全員集まったところで申し訳ないが早速任務だ。3日前にDEAの捜査官がカサ・デ・ラ・ムエルテに拉致された。」それを聞くとオリバーは質問する。
「一つ質問が。なぜDEAがメキシコで捜査を?」
ここでオリバーが疑問に思うのは当然だ。何故かアメリカ麻薬取締局(Drug Enforcement Administration)の捜査員が何故メキシコにいるのか?答えは2つ供給源を見つけて締め上げれるためそして通り道を見つけてそれに関わる米国側の買収された政府職員を逮捕するためだ。驚くかもしれないが近年米国側の国境沿いで働く政府職員の汚職が増加傾向にあるのだ。汚職を捜査するFBIも容疑者が多すぎて逮捕し切れていない。
「と言うわけで米国から救助任務の依頼が来た。幸いにも場所は割れてるし比較的襲撃されやすい場所に位置している。だがなつれて行かれた場所が悪い。この地域の幹部であるグスタボ・ガルシアのとこにつれて行かれた。幾分ビンラディンの隠れ家の方が小さいぐらいだ。ただビンラディンの隠れ家と違うのは周りに家一軒も無いしだれもこのあたりを通過しようとはしない。」と地図を指しながらイーサンが話す。
「ほぉ比較的困りそうには無い地形だなそれで敵の規模と能力は?」
と質問したのはイーサンのCIA時代からの同僚デイビス・マクレガー。イーサンと同じ舞台で機関銃手兼尋問担当官だった。彼は主に軽機関銃を扱っているが恐ろしいぐらい射撃精度を誇る。と言うのも彼は陸軍学校入学した際、狙撃手を希望していたが落ちて機関銃への道へ進んだ。この際”絶対にマークスマンと狙撃手の連中より高精度射撃が出来るようになってやる”と意気込んでいた。そもそも機関銃手の役目火力支援制圧射撃が任務である。よって言い方はひどいが銃弾をある程度ばらまくことが求められる。しかし何故か実戦ではまるで軽機関銃をアサルトライフルのごとく取り回し精度良く敵に弾丸を届けていく。そんなことから仲間からは宅配ゴリラと呼ばれていたとか。
「ああそこが問題だこのカルテル知ってる奴らは分かるだろうが元軍人や特殊部隊出身の連中が立ち上げた組織だ。」と言いスライドを変える。
「CIA、DEAそしてメキシコ政府がよこした情報によると技能は正規軍並みだと考えてくれだと考えてくれ。んでこれがCIAの偵察衛星が撮った衛生写真だ」
さて今度はなぜCIAが麻薬カルテルを監視しているのかと思っただろう。所詮単にヤクを売っているだけの犯罪組織。別に反米運動をするわけでもなければ米国内ではテロ行為もしていない。確かにそうだ。確かに彼らは直接的関与はしていない。ただし間接的関与をしているどうやってかって?彼らの麻薬密輸に使っているルートを通して米国へ密入国させるのだ。んで肝心なのは誰がそのルートを使うのか。アメリカにとって不利益を生じさせる奴らだ。スパイとかテロリストが代表例だ。故にCIAもこの問題に介入するのだ。
「拠点は壁で囲まれていて正六角形の形をしている。それぞれ角に警備棟があり合計で6カ所。狙撃手と機関銃手がいる可能性があるので突入に際し警備棟の破壊を実行する。また出入り口には重機関銃を搭載したとみられるピックアップトラック2台。出入り口は2カ所製造したヤク搬出する為の出入り口そしてお偉いさん方が出入りするための出入り口だ。壁の内側には工場とグスタボとその部下が住んでいると思われる建物が4棟、射撃練習場そして倉庫がある。今回は米空軍との合同作戦を実施する。作戦は次の通りだ。うちの支援班による砲撃支援と対軽装甲車両戦闘を開始同時に作戦空域内に米空軍機が飛来周囲からの援軍を叩いてもらう。一連の下準備が終わると同時に地上部隊が正面玄関と麻薬工場につながるゲートからの4部隊が同時に突入開始。建物を一つ一つ確認していく。この際に追加でカルテルの情報も回収するように。また未確認の人質がいれば救助して行くように。この際支援部隊は入り口に近づくやつを米軍と共に蜂の巣にしろ。作戦完了後建物を破壊。敷地内にゴーストホークとゴーストチヌークを下ろすからそれに乗り込むように。支援部隊もこのときに撤退する。なにか質問は」
「交戦規定と残った工場は?」とデイビスが続けて質問する。
意外なことだが戦闘にはルールがある。SWATのような法執行機関に所属している部隊は基本的に警告して交戦の意思があれば発砲するのに対し軍のような場合、降伏の意思がなければ発砲すると言ったように目的によりこの交戦規定は変わる。
「交戦規定は武装した敵に対しては、攻撃を受ける前に先制攻撃を行うことが許可されている。ただし幹部であるグスタボ・ガルシアはできれば持ち帰れ。工場にある可燃性の物を敷地内にまき散らしプロパンガスタンクにC4を設置してくれ。突入班は離脱用ヘリに乗車。その後離脱中にC4を起爆する。ほかに質問は?無いな?明後日の22:00時にここを出発、24:00に作戦を実行する。それでは解散。」それを聞き全員席を立ち宿舎と兵舎に戻り部隊ごとにミーティングを始めた。