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第十七話③

「1つ言っておくが……その招待とやらは、お前と交渉をしたいが為のものではないと思うぞ」

「理解しております。だからこそ、護衛が必要なんです。対等に話し合える場を作り上げた上で、筋の通った話がしたい。それだけなんです」


 招待というものは名ばかりで、王国側はパンプキンを殺害、もしくは拘束しようとでも考えているのだろう。

 それを理解していない馬鹿かと思えば、それを知っていながらも立ち向かおうとしているらしい。

 その姿を見て俺は、パンプキンを自分の知っている物語の主人公と、無意識に重ね合わせていた。


 どうやらこの通りでは俺ではなく、この男が主人公みたいだ。

 ならば俺はこの世界の主人公として、別枠の主人公に協力してやろう。そう思えるようになったのだ。


「分かった。リスクを承知の上でそう判断したのなら協力しよう。だが、争いは避けたいと言っても相手が仕掛けてくれば話は別だ。その時はそれなりの対応をさせてもらう」

「それに異論はありません。私もその場合は抵抗しますし、何より通りに危害を加えようとするのであれば…許すつもりはありません」

「……そう言えばお前の実力を知らないな。強いのか?」

「そうですね…国が恐る程度には」


 そう言った彼の姿は勇ましく、そして何よりも頼もしさを感じさせた。

 流石はこの通りを収めているものだと感心する。


「……ねぇその話、別に否定するつもりはないんだけど、私がいたら足手纏いになったりしない?」

「そうだな、正直邪魔になる」


 散々協力敵だったアカリだが、それを知り露骨に悲しそうな態度を見せた。

 それをカバーするように、パンプキンが口を開く。


「邪魔だなんてそんなまさか。私と彼が王宮に出向いている間、貴方にはこの通りにいて欲しいんです。もし不在の間に何かあれば、魔法か何かで知らせていただけたら、、、」

「私…そんな魔法使えないわよ…」

「流石悪知恵だけの悪役令嬢だな。こう言った時に役に立たない」

「うるさいわね、仕方ないでしょ!私は貴方と違って特別な力をもらってないんだから」

「ですがそうなって仕舞えばどうすれば…他の作戦を立てるしか」

「連絡手段は俺が魔法で何とかする。だからそれに関しては心配するな」

「…ほんと便利よね貴方の存在って」


 兎にも角にも、ひとまず俺たちはパンプキンの協力をすることとなり、作戦を立て始めた。

 誰にも聞かれぬように敢えてパンプキンの自宅を避けて、人気の少ない料亭の隅で会話を進める。

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