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第十七話①

「ですがやはり…言わばこの通りの客人である貴方達に迷惑をかけるわけには…」

「大丈夫よ。さっきも言った通り、単に情報を教えてもらう代わりだから、そこまで深く考えなくていいわ」

「ちょっと待て、それは俺も協力しなければならないのか?」

「当たり前でしょ? 貴方主人公を目指しているとか言っておいて、目の前に困った人がいたら放っておくわけ?」

「理不尽に狙われているのなら守ってやるとも、だが個人的な問題を俺たちが引き受けるとなるとそれは話が変わってくるだろ。自分の問題は自分で解決すべきだ。違うか?」

「ごたごたとうるさいわね。いいから黙って聞いてなさい」


 俺は面倒ごとに巻き込まれる事が確定したことに嫌気がさして、勢いよくため息を吐いた。

 元からパンプキンに多少なりとも力を貸してやろうと思っていたが、いざやれと言われると面倒に感じてしまう。


 妙にアカリはやる気のようだし、やめておくと言っても引き止められるだろう。

 その為大人しく話を聞くのが得策かとは思うが、正直気乗りはしないままだ。


「……内容次第だ。手伝うかどうかは内容次第だからな」

「それじゃあ早速だけど話してちょうだい。直ぐに解決してみせるわ」

「……国が絡む話です。本当によろしいのですか?」

「そうか国が関わるのか、ならばやめておこう。面倒ごとの最たるものだ。関わるのは愚か者のすることだ」

「これを断れば何よりも貴方を愚か者として扱うわよ」


 冷めた目でじっと見つめてくるアカリに、俺はゾッとしてしまい冷や汗を流した。

 だが国が絡むとなると話が変わってきた。コイツ個人の問題というよりも通り全体の問題なのかもしれない。


 彼女は冷たい視線を向けたまま話を続ける。

 

「私たちの異世界生活で、シリアスな要素って必要かしら? 馬鹿な目標掲げて旅してるだけなんだから、こんな問題ちゃっちゃと片付けちゃって、元の下らない冒険を続けましょうよ」


 正直アカリのこの意見には頷いてしまった。

 こんな展開を長く続けるのは、俺の望む冒険とは異なってくる。


「…わかった。引き受けるからその冷たい目をやめてくれ。…ただそうだな、条件がある。見事事態を収めれば報酬をだな、、」

「マヤト……」

「分かった、無償でいい。話していた通り世界についつ教えてくれるだけでいいから、その目をやめろ」

「ですが…命に関わってくるかもしれないんです」

「それなら心配ないわ。マヤトはこの世界で偶然1番強い人物になったから、大体の事じゃまず負けないわ」

「失礼だな。偶然じゃない、必然だ」

「運良く女神様に出会って、その女神様から脅し取っただけでしょ?」

「運も実力のうちだというだろ。これを非難するのは嫉妬と変わらないぞ?」


 俺の意見に呆れた態度をとりながら、アカリはパンプキンに再度問いかける。


「まぁそういうわけだから、話して見てよパンプキンさん。きっと明日には悩みもなくなってるわ」


 俺たちで会話を進めていたせいか、パンプキンは今起きている事を飲み込めていないかのような顔を浮かべていた。


 それもそうだろう。先日この通りに来たばかりの連中が、当人がずっと悩んできたであろう問題をすぐさま解決すると言い始めたのだ。

 信用ができないというか、何を言っているのかと笑ってしまうような出来事だろう。

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