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第七十四話④

 強くそう言い合って、お互い目を合して睨み合う。

 そして互いに笑って見せた。


 くだらないやり取りだ。それなのに、この時間を愛しく思えてしまう。


「それで、王国まではここからどのくらいで着くの?」

「3日はかかるそうだ。疲れはする距離だが、無茶な距離でもない」

「まぁそうね。じゃあ到着するまでの間に、前世での話でもする?」

「前世……と言えば、この世界よりも前の話だな」


 その話はちょうどしておきたいと思っていた。単なる場繋ぎの話題ではなく、今後この世界を生きていく為にも必要になってくるかもしれない話なのだ。

 

「お互いまだしっかりとは話せていなかったからな。ここらで細かなところまで話しておくか」

「そうしましょ。どうやら転生の仕方だとかが違うみたいだし、何かに気がつくきっかけになるかもしれないわ。……それに、そうすればお互いをよりよく理解できるだろうしね」


「お互いを理解する」確かに必要なことだろう。仲間意識は芽生えているものの、相手の過去も、趣味や好きなものなど、殆ど何も知らないのだ。


「……これから長い付き合いになるからな。面倒だが話しておくか」

「「面倒だが」なんて言って、恥ずかしくなってるのが丸わかりよ。そういうところはわかりやすいわね」


 ズバリと心情を当てられてしまい、俺は強く言い返した。それにアカリはクスリと笑ってみせる。


「貴方から聞かせてよ。以前聞いた話よりも、もっと詳しく。どんな前世を辿ったのか」


 俺は「長くなるぞ」と前置きをしたが、アカリは「構わないわ」と頷いた。

 自分の前世の話など、詳しく話したところで面白いわけではないだろう。だがアカリには聞いてもらいたい思ってしまった。それは、俺という人間を知ってほしいと考えたからかもしれない。


 そんなことを考えているのが小っ恥ずかしくなりながら、俺は話を始めた。


 改めてお互いについてを語り、より親睦を深めていく。

 まだ見ぬ世界への期待を膨らませる為に、不安を取り除く為に。


 この世界にきてからというもの、大切な者たちが増え始めた。

 孤島で出会ったヒメノに、通りとその国で出会ったパンプキンに女王。

 そして孤独を進んだ際に出会った、俺と同じく転生者であるアカリ。


 これからも大切に思える仲間や友が増えていくのだろう。

 そう確信が持てる。なんせまだ冒険は始まったばかりなのだからな。


 俺はこれからの人生に期待を込めながら歩みを進める。愛おしい思い出と、愛すべき仲間と共に。


 この物語の主人公として、この世界を好きなように生きてやるのだ。

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