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第六十九話④

 何も魔王軍が怖いから、避けようと言うわけではない。俺の魔法を持ってすれば、その場にいる魔王軍を蹴散らす事は容易だろう。

 だが、そのような事をすれば、目をつけられる事は目に見えている。

 そうはしなくとも、俺の魔法を魔王軍の誰かに見られて仕舞えば、確実に目をつけられてしまうだろう。

 そうなって仕舞えば、今後の旅は楽しいものではなく、俺達を狙う魔王軍を跳ね除けると言った、大変面倒な旅になりかねない。


 それだけは、何としてでも避けたいのだ。


「それにしても、魔王城からこんなにも離れているのに、侵攻してくるだなんて事があるのね」

「もう少し先に進めば、魔王軍による侵攻を受けているといった国は多くなりますが、確かにこの付近で起こるのは珍しい話です」

「ならばこの2つの国には、魔王軍から見て、優先して攻め落としたいと思えるような、特別な何かがあるのだろうな」

「貴方、それが気になるだとか、言い出さないわよね」

「安心しろ。気にはなるが、それを理由にその国に関わろうとまでは思えない。せっかくのハーレム作りの楽しい旅を、こんな序盤に脅かされたくはないからな」


 その他にも、主人公として困っている人々を助けるべきではないかだとか、魔王軍を討伐し、英雄になるべきではないかと言った考えも一応出てきはした。

 だが、魔王軍に脅かされている国は幾つもあるのだ。ひとつひとつ助けていれば、一生経っても魔王城へは到達出来ない。

 その為、申し訳ないが、特別な理由がない限りは助けない事にしたのだ。


 俺は主人公であり、勇者でもあるが、決して善人ではないからな。

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