第六十九話②
「すまないなパンプキン。随分と待たせてしまった」
「とんでもない、お気になさらないでください。それよりも、祭りは楽しめましたか?」
宿へと入り、店主にパンプキンの部屋番号を聞いた後、早速その部屋へとやってきた。
パンプキンは座っていた椅子から立ち上がり、俺たちを出迎えてくれる。
「お祭り、最高でした! ほんと……遊び足りないくらいです!」
そう言いながら、アカリは満足そうに頂いたお菓子をパンプキンに見せる。
「楽しんでいただけたのなら良かったです。これがお礼になる得るかは分かりませんが……」
「十分だとも。アカリがここまで満足してるんだ。こんなに珍しい事はないぞ?」
「私ばかりが楽しんでいたみたいに言ってるけど、あんたも楽しんでたでしょ?」
「……そうだな。楽しんではいた。だから礼としては十分だ。その上、今からこの世界についての情報も得られるのだからな」
そう言いながら、俺とアカリは用意されていた席へとついた。
パンプキンは、何処かホッとしたかのような態度をとった後、被り物を脱いで席へと座る。
「では改めて、この世界についてお話しさせていただきます。先ずは、何についてお聞きしたいですか?」
「そうだな……。では先ず、、」
こうして、ようやくこの街へ来た当初の目的であった、この世界についての情報を得る為の話を開始する事が出来た。
話は基本的に俺の質問から始まり、パンプキンがそれについて詳しく解説、説明してくれる。
その質問から派生して、その他の関連性の高い話も詳しく話してくれた。
予想外だったのは、アカリが思いの外前のめりで話を聞いてくれていたことだ。
てっきり忘れてしまっていると思っていたが、アカリは自身が、情報などを得る係であることを覚えていたみたいだ。
よく考えれば、こいつの性格的に約束を破るような真似はするはずが無いのだ。
気が強く、口の悪いところはあるが、律儀なやつではあるのだから。




