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第六十八話②

「あら、マヤト何か貰ったの?」

「あーこれを……そういうお前は大量だな」


 ようやく通りの方々の熱が冷め始めた中、その隙をついてアカリがこちらへとやってきた。

 アカリの腕には抱えきれないほどのお菓子が乗っており、本人はそれを大切そうに扱っている。


「いいでしょ、こんなにも貰っちゃったわ」

「あー良かったな。見ただけでも胸焼けしそうな菓子ばかりだ」

「そんな事ないわ。どれも甘いけど食べやすいものばかりだから。……それで、その紙は何なの?」


 両腕が塞がっているアカリは、指さすかのように、顎をクイっとさせて地図のことを問いかけてくる。


「これは見ての通りここ一体の地図だ。この国を中心として、かなり広い範囲の場所を把握することが出来る」

「嘘みたいに広い世界だから、この大きさでも世界地図にはなり得ないのね。あっ、でもこれを使えば次に進む国を選ぶことが出来るわね」


 なるほどそうか。前は立ち寄った場所から近い国を、その場に住んでいるものに聞くしかなかったが、これがあればどう言った国へ足を運ぶかを選ぶことが出来るわけだ。

 流石に国の情報までは地図に載っていないが、国名や国の規模などは地図を見ればわかるのだ。これを参考に次に進む場所を選ぶとしよう。

 

「役に立ちそうなら良かったです」

「あぁ感謝するぞ。これで当分、行き先に困ることはなそうだ」

「地図があるだけでここまで安心感が得られるなんて、元いた場所じゃあ考えられなかったわね」

「元いた場所……そういえばお2人は、何処の国の出身なのですか?」


 俺たち2人は固まってしまう。

 別に話してはいけない事ではないのだろうが、「こことは違う世界から来ました」というのには、少し抵抗を感じてしまう。

 何というか、冗談に聞こえるのではないだろうか。

 何故嘘をつくのだろうと、不審がられるのも癪だしな…。


「実は私たち、こことは違う世界から来たんです」


 すると、アカリは少し躊躇った後にそのようにして言い切った。

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