第六十二話③
通りを楽しめる事になった喜びを隠せないアカリと共に、俺たちは女王が戻ってくるのを待つ。
だが暫くしても戻ってこないので、痺れを切らした俺は、パンプキンに質問を投げかけた。
「パンプキンは俺たちが去った後も通りと街のことについて話し合いをしていたんだよな? その会話が終わってここに戻ってきたと思うのだが、女王は何をしていたんだ」
「それが、女王様も話し合いに参加してくれまして、直ぐに話は済んで解散になったのですが「私は少し国王様と話すことがあります」といって、その場に残っていました」
何を話すのだろうかと考えようとしたが、その後直ぐに扉が開いた。
「お待たせしてごめんなさい」と言って、女王が部屋へと入ってくる。
「そこまで待っていないから攻めるつもりはないが、国王と何を話していたんだ?」
「……お恥ずかしいのですが、謝罪とこれからも仲良くやっていこうと……そんな話をしていました」
良い変化を遂げた国王を見て、自分も変わっていこうと考えたのだろうか。女王も国王と向き合おうとし始めたみたいだ。
女王は顔を赤するなどして、恥ずかしそうな態度をとっている。
見方によっては、単なる夫婦の仲直りである事に気がついて、乳繰り合いを見せつけられている気分になった。
「まぁ、仲直り出来たのならいいんじゃないか」
「はい。これからはこの国の為にも、もっとお互い向き合っていこうと思います。…こうして意識を変える事ができたのは、お2人のおかげです。本当にありがとうございます」
そう言って、女王は深々と頭を下げた。
先程も似た光景を見たなと思いながらも、何度も感謝されるような行いをしたのだなといった実感を得ていた。
人助けなんて、正直俺らしくはない。
だが主人公として、こう言った行いは増やしていくべきなのだろう。
あらゆる事に巻き込まれるのは面倒ではあったが、終わって仕舞えば、実に気分がいいものだしな。




