第六十一話②
「先ずは国民同士の仲を深めるのが最善と我は考えておる。その為に、完全に壁を無くさないまでも、お互いの場所を行き来出来るように道を作りたいのだ」
「道ですか……」
「このアイデアには反対か?」
「今直ぐに道を作ると言うのであれば、それには反対せざるを得ません。何せ、各々の仲は今、非常に悪い。この状況で急に道なんて作って仕舞えば、反感を買ってしまい、更に関係が悪化してしまう事になってしまうかも知れません」
パンプキンの意見に「なるほど」と納得を示した国王だったが、次の意見を出す事はなかった。
考えていたアイデアはこの1つだけだったのだろう。それを否定されて、怒らなくなったまではいいが、他にもアイデアの1つや2つは用意しておいてもらいたいものだ。
「それなら、いきなり道を作って交流を測るんじゃなくて、各々の街に小さな交流の場を設けたらいいんじゃないかしら、例えば小さなスペースに、各々の得意とする商品を販売するとか」
2人の沈黙に見かねたのか、アカリがそのような提案を2人に話す。
だが、リアクションとしては、今ひとつといったものだ。
「悪くないとは思います。例えば通りのもの達のお菓子などを街で販売して、間接的に交流をはかる。と言うものですよね?」
「その通りよ。このやり方なら、反感も少ないと思うし、どうかしら?」
「だがその販売をする場所が問題なのだ。通りの事は分からんが、この街のスペースで通りのお菓子の販売するとなっても、そのスペースをあけ渡す者はおらんじゃろうからな」
「それなら安心して、誰にも文句を言われないわ。そんな空きスペースがある事は、確認済みよ」
何を適当な事を話しているのかと考えたが、よくよく思い返してみれば、確かにそのようなスペースがあった事を思い出した。
「ここからずっと南に歩いたところ、今は誰にも使われなくなった空き地がある筈よ。そこなら通りの方達が店を出しても、販売したとしても文句は言われないだろうし、どうかしら?」




