第五十九話③
「はい、よく出来ましたね2人とも」
「本当……許可したとはいえ、あまりにも生意気だな貴様は……」
「でも仲直り出来てよかったでしょ?」
「まぁ……その事は感謝するが……」
「でしょ? これからは私がいなくても、仲直りするのよ。仲直りは出来るって実績を作ったんだから、これからは簡単に仲直り出来るでしょ」
「言われなくても……! 分かっている。そうだろ、女王……?」
「え、あ、……そうですね。はい、出来ると思います」
今まで仲直りをした事がなかったであろう2人は、この後どうすれば良いのか分からないといった態度を取りながら立ち尽くしていた。
少しして、各々距離を取った後にアカリに再度話しかけた。
「それで、何の話だったかな」
「通りの話よ。何だか妙な空気のままだけど、大事な事だから話してもらいたいわ」
「やっと本題に戻るのか……」
ようやっと本来の話題に戻った事に安堵しつつ、国王の答えを待つ。
「通りの話……そうだな。パンプキン殿、お主には大変な思いをさせてしまったな。迷惑も沢山かけた。先ずは謝罪させてほしい。本当に、すまなかった」
そういって国王はパンプキンの元まで近づいて、頭を深々と下げながら謝罪をして見せた。
パンプキンは許す許さないといった答えどころか、言葉を返さずに、複雑な心情を表すかのように難しい表情を浮かべている。
それもそうだろう。パンプキンから言わせてみれば、迷惑をかけられただなんて言葉でおさまらない程の害を受けているのだ。いくらか殴ってやったとしても、パンプキンの気が晴れる事はないだろう。
「直ぐに謝罪を受け入れてもらえない事は分かっておる。我に非があるのだ、このまま一生許してもらえなくても構わない。だが、通りとこの街の、今後の話はさせてもらいたいと思っている」
「通りと街の今後の話ですか……。信用できない貴方と話して何になるのかといった思いもありますが、アカリさんを信用して、少しだけ話して見ましょうか」
これから、ようやっと街と通りの未来の話が始まろうとしている。
この話の結末次第で、今後の街と通りの関係性が決まるのだと思うと、少しばかり緊張してしまい、この場の空気が少しばかり重くなったのを感じた。




