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第六話①

「……1体じゃないのか」


 俺の視界に入ってきたモンスターの数は1体や2体ではなかった。


 警戒していた方向にモンスターは現れず、俺たちの両脇から数十体もの数がこちらへと攻めてかかってきた。


「モンスターの答えは、夢を食べるでお馴染みのバクに似たモンスターみたいだな!これは予想できるはずがない」

「そんな事いいから早く引きなさいよ!!」


 モンスターは人のように弓矢や槍などを構える大型のバクのようなモンスターだった。

 今にも俺たちに飛びつく勢いでこちらに向かってきている。


「それじゃあ、一旦引くぞ」

「そうしてちょうだい…て、え!?ちょ、ちょっと!!」


 俺はアカリを抱き抱えながら魔法を発動させて、大きく空に向かって高く飛び立った。


 空気を切り裂くようなスピードで進むこの姿は、ジェット機と見間違えてしまう程のものだろう。


 直ぐ様空の近くに着いたところで一度止まり、相手を確認する為にじっと下を見つめる。


「……ここからじゃあまり見えないな」

「急に飛ぶんじゃないわよ!!びっくりしたでしょ!!」

「仕方ないだろ、危険な状況だったんだ」

「そうだとしても、こんなに高く飛ぶ必要なんてないでしょ!!お陰で敵を確認する事もできないじゃない!!」


 最もな事を言われてしまった。

 ひとまず無視して今後のことを考える。

 すると突然、こちらへ何かが飛んできているのがわかった。

 俺とアカリで不思議そうにそれを見つめていると、それは俺たちの横を掠めてい通り過ぎていき、飛んできたものの正体が槍である事がわかった。


「え……嘘、ここまで飛ばしてきたの?」

「……ふん、見たことか。近くにいていたら、当たっていたかもしれないぞ」

「うるさいわね…結果論でしょ!それより早くどうするかを決めなさいよ!いつまで抱き締めてるつもり、近いのよ!!」

 

 こいつはずっと怒っているなと思いながら、俺は思いついた事を口にした。


「なぁ、強大な魔法を使っては行けないのか?その方が早く方がつくぞ」

「うーん…正直ここなら人目もないし構わないんだけど、やめておいた方がいいと思うわ」

「どうしてだ?」

「考えても見なさいよ。何処に女の子が眠っているのかもわからないのよ……それに」


 何処に女の子がいるかわからないから使うべきではないと言うのは理解出来たが、どうやらまだ理由があるみたいだ。


「間違っていてもいいから話してくれ、参考にしたい」

「…多分だけど、あのモンスター達と眠っているとされている女の子とは、何らかの関わりがあると思うの」

「どうしてそう思ったんだ?」

「安易な考えだけど、ずっと眠っている女の子の近くにバクがいるって、絵本や童話ではありそうな話じゃない?それに、まだここで女の子が眠り続けているのなら、直ぐに私たちを襲ってきたモンスターが、襲わないのは不自然だわ」


 アカリの単なる予想でしかない話だが、俺は十分なほど、この考え方に納得がいった。

 あれがそもそもバクがどうかもわからないが、こんなモンスターがいるのに女の子が眠り続けいられている事は不自然だ。


「ならわかった。ひとまずアイツらとコミュニケーションが測れるか試してみるとしよう」

「相手はモンスターでしょ?そんな事出来るのかしら」

「その時の事はその時考えよう。この俺があの程度の奴らにやられる筈がないんだからな」

「カッコつけてるんじゃないわよ。単に女神様から奪い取っただけの力でしょ?」

「運ですら実力の内と言うんだ。なら俺のこれは十分俺の実力と言える」


 俺の発言にため息を吐くアカリとは対照的に、久しぶりの戦闘に気持ちが昂っている俺は、相手の元へ勢いよく近づいた。

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