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第五十八話③

「それで、国王様と女王様、一体何があったのですか? 私としては、パンプキンさんと通りの今後について話してほしいのですが」

「何があったのかですか……そうですね。国王様が、私を見るなり、逃げるような素振りを見せましたので、追いかけたのですか」

「何が追いかけたじゃ。我が嫌がっているのを察したのなら、放っておいてくれればいいものを」


 思っていたよりも下らない喧嘩の原因に、この場にいる女王と国王以外の連中はため息を溢した。

 根っこから相性が悪いのか、喧嘩するほど仲がいいのか知らないが、そんなくだらない理由で国のトップ2人が争っているというのは、あまり宜しくはないのだろう。


 現に、2人で相談しないが故に、国王が1人で通りを崩壊させるといった計画を立てたりしたのだ

 この会話に、元から女王がいれば、こんな案はすぐさま却下されていただろうしな。


「ねぇ、国王様。私たちどんな会話しましたっけ? そういった直ぐ怒る癖を直すだとか、そういった話をしたと思うんだけど」


 遂に口調が荒くなり始めたアカリに、国王は再び怯えるかのような仕草を見せる。


「その会話は…勿論、覚えておる。現に今も…、いや先程からずっと頭の中にあるのだが…」

「まぁ…直ぐには変わらないってわけね」


 どうやら国王が変わろうとしているのは本当らしく、その姿を見てアカリは国王を攻めるような素振りを見せなくなり、どうしたものかといった悩む態度を見せ始める。


 女王も国王の姿を見て、何やら思う事があったのか複雑な表情を浮かべていた。

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