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第五十七話②

「それで、話した結果案外話のわかる奴だったと?」

「話してみればわかるわ。あくまでも冷静な時にね」

「その冷静な時をあまり見た事がないのだがな、常に怒っているイメージだ」

「言いたいことはわかるけど、前よりかは多少いい性格になったわよ。貴方が煽るような事をしない限りは大丈夫な筈」


 何だか話の流れが読めてきたな……。


「お前の口ぶりからして……今から話すのか? あの馬鹿国王と、」

「出来ればそうしてほしいわ。マヤトに、と言うよりもパンプキンさんにね」

「え、私ですか? ……正直気乗りはしませんが、何か理由があるのですか?」


 気乗りがしないのも納得がいく。パンプキンから言わせてみれば、国王は自身の愛する場所を破壊しようとした悪でしかないのだから。

 そんな奴と話せと言われて直ぐに断らないだけ、寛大だと言えるだろう。


「通りの未来の為にも、一度話してほしいんです。同じ国同士なんですから、このままいざこざが続くのは良くないでしょうし」

「その意見には同意しますが……あの国王様が会話に応じてくれるのか……」

「きっと大丈夫です。私を信じて、一度話してみてくれませんか?」


 アカリの説得に、パンプキンはあまり乗り気な表情を浮かべなかったが、少し間を開けてからゆっくりと頷いた。


「分かりました。では一度…話してみます」


 それを聞いた女王が口を開く。


「そう言う事でしたら、私があの方をお連れしましょうか?」

「ありがとうございます女王様。お願い出来ますか?」


 女王はそれに了承して、そのまま国王を呼びに出て行った。

 パンプキンは国王との対話に緊張し出したのか、少しばかり顔色を曇らせ始める。

 被り物をかぶっていながらにそれが伺えるのだから、余程緊張しているのが見てわかる。


「やはり嫌なのか? あの馬鹿と話すのは」

「いや……ではありません。ただやはり、良い印象はあまりないので、また怒らせてしまい通りに危害を加えるだなんて言い出してしまったらと……」

「きっとそれは大丈夫です。いざとなったら、私からもガツンと言ってやりますから」

「お前は国王相手に随分と強気だな。一体どんな風に会話したんだ?」

「遠慮はいいって言われたから、思う事をぶつけてやったのよ。だったら案外悪い人じゃないことに気づいたわ。怒りっぽいところは、もっと改善しないとダメだと思うけどね」


 遠慮はいいと言われても遠慮してしまうのが一般的だとは思うのだが、やはりアカリはそれに該当しないのだな。

 感心すべきか笑うべきかはわからないが、そう言ったところは正直嫌いではない。

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