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第五十六話①

「はぁ……面倒な奴に絡まれたものだな」

「ひとまずお疲れ様ね。……いや、案外楽しんでたのかしら?」

「そんなわけがないだろ。ほんと……苦痛でしかなかったぞ」


 鼓動が少しばかり上がったのは、不快が故だったのだろう。きっとそうだと自分に言い聞かせる。

 アカリは馬鹿を見るかのような視線を送ってきていた。


 それにしても、本当に面倒な奴に目をつけられしまったな。今後、奴は俺を追って、再び現れるのだろうか。

 今のうちに、対策を考えておきたいものだ。

 だが、その前に何よりも優先しなくてはならない事があった。


「兎にも角にも、パンプキンを探し出さねばならないな。女王、何処か思い当たる場所はないか?」

「私たちも何もしていなかったわけではありませんよ。既にパンプキン様は、見つけております」

「本当か? 思っていたよりも頼りになるのだな」

「思っていたよりもって、貴方失礼よ」

「今はお休みになられていますので、少ししてからその部屋まで案内させていただきます」

「いや、今行くぞ。アイツも、早く俺たちの安否を知りたいだろうしな」


 女王は少し悩んだ末にこれに了承し、俺たちは早速パンプキンが休んでいるとされる部屋まで足を運んだ。

 部屋を開けると、既に椅子に座っているパンプキンの姿が目に入ってきた。


「ダメですよパンプキン様、まだお休みになっていないと……」

「心配かけてしまい申し訳ないです。ですが、ダメージは少し負ってしまったものの、元気ではなくありますので大丈夫です。それに、マヤトさん達が直ぐこの場にお越しになることは、察しておりましたから」


 そう言ったパンプキンの顔は少し腫れており、腕にもいくつかアザがあるのが見受けられた。

 恐らく俺の時とは違い、パンプキンは王国騎士長相手に抵抗を見せたのだろう。

 それが故に、このような怪我を負わされる結果となってしまったのだ。

 

 全く、今回限りのとはいえ、俺の仲間であるパンプキンに怪我を負わせるとは、より一層奴に対して腹が立ってきた。

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