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第五十一話②(アカリ視点)

「私は私で探すから、後は任せたわよ」

「勿論だ。見つけ次第、お主に話が行くように兵士には手配してあるからの。好きに城内を動いてくれて構わないぞ」

「わかったわ。それじゃあ…」

「あ……少し待て!」


 早速向かおうとしたところで、国王は私を止めてくる。


「どうかしたの?」

「いや……それがだな。お主の侵入目的についてじゃが……女王が関わっておると思うのだが、それは結局どう言った理由で……」

「それはパンプキンさんを……いや、自分で聞く方がいいんじゃない? もう出来るでしょ?」


 私が伝えるよりも、2人でしっかりと話をするべきだと考えて、そのように伝える。


「全く……まるで子供扱いじゃな。……お主のいう通り、こちらで話しておく。引き留めて悪かったの」


 国王はすっかり行動することに前向きになっていた。

 別れ際でのやり取りに笑顔が見られた時点で、国王の人柄がよくなっている様に感じた程だ。


 ――


 城内を探し始めたが、探す場所全てに、兵士の方々が既に調べを入れてくれていて、先程から私の出番はないかのように考え始めていた。


 だが兵士の動きを見る限り、人目につく部屋ばかりを探している様にみえる。


 私は、もっと人目のつかない場所に探りをいれるべきだと感じ、敢えて人ど通りの少ないところを選んで進んでいく。

 すると、徐々に太陽の光が差し込まない、暗く狭い道へと入っていった。


 今誰かに襲われて仕舞えば逃げ場はないなと恐怖を感じながらも、足を止めずに先へ先へと進んでいく。


 ――すると目の前に1本の長い廊下へと辿り着いた。

 不思議なのが、長い廊下にも関わらず、左右に扉は無く、突き当たりに1つのみ部屋が存在していた。


 この独特な環境に向き合った途端のこと、不思議と私の感が、この先に誰かがいるのだと訴えてきた。

 それはこの城の方では無く、マヤトかパンプキンさんのどちらかが捕らえられていると感じたのだ。


 わざわざこの奥にある部屋、誰にも見つかりたくない人に使って下さいといっている様なものだ。

 ならばそれ程怪しいのにも関わらず、誰もこの部屋を調べていないのは不自然ではあるが、それ程までに人目につかない扉とも解釈できる。


 兎に角私は扉を目指して足を動かした。

 一歩、また一歩と近づくにつれて、鼓動が速くなっているのがわかった。

 仮にこの場にマヤト達が捕らえられているとすれば、犯人である王国騎士長がいる可能性は高い。


 マヤトを捕らえれるほどの実力の持ち主だ。マヤトが本気を出せばなんてことはないだろうが、本気を出す前に何かされれば溜まったものではない。


 そんな事を考えていると、長い廊下も歩き終えてしまい、あっという間に扉の前まで辿り着いてしまった。

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