第五十話②(アカリ視点)
「お主ならどう考える? 今後再び、パンプキン通りの長に話を持ちかける方法は、そして2つの街を統合する様に説得するにはどうするのかを」
あまりに難しい問いに頭を悩ませながら、ストレスで顔を歪ませた。
そもそも私は急いでパンプキンさんを探し出さなければならないのだ。
こうしている間にも、彼は危険な目に遭っているかもしれない。なのにこんな長々と話されて……正直我慢の限界だ。
「兎に角今の貴方では、2つの街を統合する事は不可能です。現実的な話をするのなら、2つの街を繋ぎ合わせる事が、今出来る事の限界でしょう。現実を見て下さい」
私は率直な意見を投げつけた。
現在2つの街の間には、広大な森が隔ててあり、行き来するのにとても苦労する地形となっている。
ひとまずそれを改善すれば、2つの街は交流する事が実現して、今よりかは険悪なムードは無くなる筈だ。
そこから改めて、街の統合を考えればいい。
現段階で話を進めるには、あまりに気を焦らせ過ぎなのだ。
「どうしてなのだ……我はここまで考えているのに、何故そこまで強く言われなければならないのだ……」
すると国王は以前の様な怒りを見せ始めた。
そもそもはこうならない為に、長々と話に付き合っていたのに、このままでは全てが水の泡と化してしまう。
とはいえ私は、ここで変に宥めるだなんて事はしたくない。
それは私とって最もプライドが傷つく行為の一つだからね。
「だから、そういうところよ! そういうところ! そうやってすぐに怒るのがダメなの、それを治せないうちは、街の統合なんて大それた計画、成功する筈がないわ!」
私は遂に堪忍袋のおが切れて、その様に強く言って見せた。
国王は怒りよりも、驚いたといった様に瞳を丸くさせており、暫く私の発言に何も言い返さずに天を仰いでいた。
「お主……今、その発言は我にしたのか?」
「他に誰がいるのよ。私が急に独り言を話し始めたとでも思ったの?」
現実を受け止め切れないような仕草をする国王に、私は追い討ちをかける様にそういい放つ。
こうでも言わないと彼は気づかないだろう。自分の愚かさに……。
まぁ正直、それに気づかせてあげるためなんて優しい理由ではなく、腹が立って今の発言をしたわけだが、それは誰にもバレないように隠しておく事にした。




