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第五十話①(アカリ視点)

 パンプキン通りとこの街の統合、それは果たして可能な事なのだろうか。


 国王はパンプキン通りの風潮を良しとしているのはよく分かった。

 けれど、パンプキン通りの長であるMr.パンプキンさんは、この街の風潮をあまり良いとは思っていなかった筈だ。

 そもそも国王の印象が悪すぎるって言うのもあるかもしれないけどね……。

 

 それにこの街の民衆も、パンプキン通りに対してあまり良い印象を抱いていない様に見えた。

 今回、パンプキンさんはダークを討伐したことにより支持を得たかもしれないが、イコールで通りの評判が良くなったという事でもないだろう。

 

 以上のことから、双方共に街と通りを統合したいとは思っていないし、思わないのではないかと考えてしまう。


「難しい話……だと思うだろ?」

「はい……正直、現実的ではないかと」

「それもそうだ。だがの、考え見てほしい。この町での通りの評判は最悪なのだ。「小汚い」「見窄らしい」「不潔」そんな言葉をこの街の民衆は投げかけとる。一方の通りの民も、その様な事を言われて腹を立てている様子だ」

「ならば尚のこと、難しいのではないですか?」

「難しくはあるのかもしれない。だが、このままでは同じ国に住む者同士なのにも関わらず、協力が出来ないままになってしまう。何とか2つの街を統合し、仲を繋がなくては……」

「協力……ですか?」

「そうなのだ。昨今、隣国が勢力を拡大しておっての……それに伴いこの国は厳しい状況となってきた。経済的に圧迫されて、新たな解決策が見つからなけば、この国は崩壊を辿る事になるだろう」

「それは、国として厳しい状況になりそうですね」

「その通りだ。だからこそ、今は国の中での争いなど無くしてしまい、手を取り合って協力し、国の外から観光客を集める。我が街と通りが手を取り合えば、きっと素晴らしい観光名所になる筈なのだ」


 それが叶えば、経済的に苦しくは無くなるという事だろう。

 

 言い方は悪いが、少し不気味なパンプキン通りと、あまりに煌びやかがすぎるこの街を合わせれば、確かにちょうど良く混ざり合って、良い場所と化すかもしれない。

 街で盛んな装飾品、通りで盛んなお菓子、どちらも観光客に受けは良さそうだ。


「良いアイデアだと思います」

「そうであろ!? やはり我は間違っていな……!?」

「しいて間違ったところを挙げるとすれば、通りへの対応ですね。初めから冷静に交渉するべきでした。状況をあまりに拗らせ過ぎです」

「うっ! 分かっておった筈なのに……言われてみればきいてしまうの……」

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