第四十九話③(アカリ視点)
「争ったと言いますと、何か口論でもしたのですか?」
「いや……口論というよりも……危うく内戦になりかけたのだ……」
「え、内戦…ですか? ……それは何というか」
「分かっておる! 擁護できない程愚かな行為をしてしまった事くらいは……それでもの……それでも、我は一度カッとなってしまうと、自分を見失ってしまうのだ……」
いや、カッとなってしまうじゃないわよ!と叫んでしまいそうになったが、それをグッと飲み込む。
まさかそのような理由でパンプキン通りと内戦になりかけていたとは思いもしなかった。
だが、勢いで言ってしまいはしたが、本心としてはパンプキン通りと争うつもりはないという事をしれたのは大きい。
パンプキン通りを滅ぼすつもりはないと、言い切ってもらうのとそうでないとでは、今後の安心感が大きく変わってくる。
そもそもカッてなってしまうといっていたが、それは怒ってしまうと自分を見失ってしまうという事だろうか。
それは上に立つものとしてというよりも、社会で生きていく上で、なるべく控えた方が良い行動だとは思うのだが、果たしてそれを直接伝えていいものだろうか。
そもそも部外者かつ、現侵入者の私がそれをいうのはあまりにもお節介というものだろう。
「その事は女王様は知っているのですか?」
「いや、彼女は我のことを常に怒っている人物だと思っているみたいだな。怒っていなくても、我は彼女を前にすると、緊張からか声が大きくなってしまうからな」
私自身も、国王にこのような冷静な一面があるとは思っておらず、国王のいう通り常に怒りを見せている我儘な王様だと思っていた。
「つまりは、パンプキン通りと本来は争うつもりはなかったということですか?」
「勿論だ。そのようなつもりは最初から全くと言っていいほど無い」
「とはいえ、パンプキン通りを無くそうとしているのですよね?」
「あー、その通りだ。我はパンプキン通りの風潮を取り入れる為、パンプキン通りとこの街の統合を目的に動いておる」




