第四十九話②(アカリ視点)
「実はの……我はパンプキン通りを、無くそうと思っていたのじゃ」
「……その様な事をすれば反感を買うかと思われます。これまたどうしてそのような事を……?」
私はその事実を知らなかった事として返事をし、通りを無くそうと言った発言に腹を立てながらも、それを顔には出さずに我慢して見せた。
すると国王は少しばかり難しい顔を浮かべた。やはりこの話はなるべくしたくはなかったらしく、「話してもいいものか……」とぶつぶつと不安を溢している。
だが、その後直ぐに国王は自身の頬を軽く叩いて、「このままではストレスを抱えたままだ。仕事にも身が入らんからのぉ……言ってやる」と自分を鼓舞しながら話し始めた。
「我はパンプキン通りの風潮を、この街に持ってこようとしたのだ」
この発言の意味をはっきりと理解したわけではないが、まるで通りの事をよく思っているかの様な発言だなと驚いた。
国王は何というか……通りの事を目の敵にしているかとばかり思っていたのだが、そう言ったわけでもないのだろうか。
「国王様……それはつまりどう言った……」
「話せば長くなるが、我は元よりパンプキン通りとこの街の一体化を測っておったのだ。その為先代のMrs.パンプキンとも争ったものじゃ……」
今の発言で確信を得た。
どうやら国王は、パンプキン通りの事を悪くは思っていない…何なら、ある程度はよく思っているみたいだ。
そうでなければ、通りの風潮を取り入れたいなどと言った発言が出るはずがない。
ただ不思議なのは、そのような考えでどうしてMrs.パンプキンの時は大きな戦いになったのか、今回もまた手荒な方法にでようとしたのかがからない。




