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第四十九話①(アカリ視点)

「はぁ……先日のパンプキンの件は知っておるか? あの通りの長であるMr.パンプキンという男が、この国を攻めてきた『ダーク』という怪人を倒してくれたのだ……」


「倒してくれた」という言い方からして、ある程度ではあるが感謝をしているのはわかった。

 だけどそれよりも、ため息を吐いたりだとか、面倒くさそうに話す口調が、それを良しとしていない様にも聞こえてくる。


「パンプキンという方が、この国を救ったのは知っております。それは有難い事だと私は思うのですが……国王様は違うのですか?」

「違わない。我の軍隊では、アイツに勝つ事はできなかったであろうからな。感謝はしている……だが、気に食わないんじゃ、我の計画……というよりも、考えていた事が台無しじゃ」


 私はパンプキンさんとは無関係であるということで話を進める。

 国王はやはりパンプキンさんに感謝はしているものの、気に食わないと言って見せた。

 考えていた事が台無しといった発言が出てきたが、それは通りを崩壊させようとしていた事を指しているのだろうか。


 その様な質問を投げ掛けたいが、一般的にはまだ国王が通りを崩壊させようとしているという情報は、所詮噂程度、それを断言して質問してしまうと、何故その事を知っているのかと、怪しまれる事は明白だ。


「考えていた事がとおっしゃいましたが、それはは一体……いや、聞かない方がいいですよね?」

「そうじゃな。お主は女王と繋がりがある様子、気軽には話せないのだ」


 実は女王様だけでなく、パンプキンさん、そして先日この街を攻め込んだ通称ダーク事、マヤトとも繋がりがあるとしれば、国王様は驚きのあまり倒れてしまうかもしれない……。


「とは言え、ここで愚痴を吐いておかなければストレスが溜まったままになるのもまた事実です。宜しければ、私が女王様と繋がりがある前提でもこの際構いませんので、愚痴を溢して見てはいかがでしょうか?」

「……話が上手いのか、悪知恵が働くだけの悪党なのか。情報を引き出そうとするのが得意なようじゃな」

「別にその様な事は……」

「まぁ良いじゃろう。別にこの話が女王にバレたところで、いつも通りの喧嘩になるだけのこと、もう慣れたわい。どの様な経緯で彼女との繋がりを得たかは知らぬが、兎に角今は我の愚痴に付き合ってもらうぞ」


 案外呆気なく、国王は通りでの話をする事を認めた。

 この話を聞けば、これまでの騒動で国王がどれほどまでの期間関与していたのかが明白になる。

 そうなれば、マヤトを攫った犯人が個人で行動を起こしたのか、はたまた国王の差金だったのかが分かるようになるのだ。

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