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第四十七話③

「はぁ……何というか、思っていたよりも仲がよろしかったのですね。交渉すれば案外上手くいくとも考えていましたが、そう簡単に事は進まない見たいです」

「話を聞いていたのか? 仲がいいわけではない。ただ何というかだな!」

「もう分かりましたよ。言いたい事は曖昧ですが伝わりました」


 相手の発言に苛立ちを見せた俺に対して、面倒くさそうに王国騎士長は軽くあしらってくる。

 その態度にも腹が立ち、いよいよ縛られた体に力を入れて、自力で脱出を試みる。

 だが、ロープの締め付けがあまりにも硬く、微塵も動きそうにない。

 その様子を見ていた王国騎士長が、「無駄ですよ」と少しも焦りを見せずにそう告げる。


 やはり魔法を使用するほか、ここから出る事は出来ないみたいだ。

 とはいえコイツがいる手前で、魔法の発動は可能なのだろうか。

 仮に使用できなくなっていれば、そして時間が流れれてしまえば、再び俺の設置していた力が動き始める。

 こんなところで2度もそれを使用させたくはないのだ。



「まぁ分かりましたよ。じゃあここからは我慢比べといきましょう」

「我慢比べ? そんなくだらんことに参加するつもりはないぞ」

「貴方の意思を尊重するつもりはありません」


 そう言いながら王国騎士長は衣服のボタンを少しずつ開けていく。

 もういい。こういったちょっぴりエッチな少年漫画の様な展開はいらないのだ。


 早く抜け出したい。でないとまた、醜態を晒すことになってしまう。


「はい。それでは始めますよ」

「…ゲームのルールだけでも聞いておきたい。それだけだ、それだけだから教えてくれ」

「私が今からする色仕掛けに耐え切れば、貴方の勝ちです。逆に貴方が耐え切れなければ、私とパーティを組んでもらいます」

「色仕掛けとは随分と大雑把な説明だな。詳しく話してくれ」

「ルール説明だけだと言ったじゃないですか。…まぁ、書物なら成人指定になる様な内容です」

「騎士であるお前が、そんな淫らなことをしてもいいのか? 悲しむものが現れると思うが」

「別に誰も悲しみませんとも、寧ろ貴方は喜ばしいのではないですか? こういった事は初めてでしょ?」

「何のことだかさっぱりだ」

「兎に角、パーティを組むのならお互いの事を知るのはいい事だと思います。…体の隅々までね」

「そこまで知る必要はないと思うぞ。考え直せ」


 説得に聞く耳を立てずに、王国騎士長は俺の足に跨って、そのままゆっくりと包容を交わしてきた。

 既に衣服は下着のみとなっており、彼女の匂いが直接鼻を掠めた。


 あまりの事態に、みっともなく悲鳴を溢してしまう。

 逃げないと不味い、俺がまだ正気のうちに。

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