表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

138/231

第四十四話③

「直ちに城に向かうぞ。女王の部屋までのルートを辿って、城内に侵入するんだ」

「ちょっと、珍しく慌ててるけど、何かあったの?」

「城の中で女王が襲われた。詳しいことは、向かいながら話す。急ぐぞ」


 街をいくら探しても見つからない事、そして今回の城内での犯行、敵は城の中にいる可能性が高くなってきた。

 俺はアカリと共に城まで急いで向かい、その中で女王と通話で話した事を説明する。


 それを聞くと、アカリは驚いた表情を見せた後、直ぐに考え込むような素振りを見せ始めた。

 思考を一度、街から城の中へ移して、考えを回し始めたのだろう。

 この状況から察するに、街に意識を逸らすよりも、城に犯人がいる事を前提で考えた方が解決に繋がりそうだからな。


 女王の部屋へと辿り着いたが、そこに女王の姿はなく、メイドがその場で掃除をしていた。


「あっ! ……びっくりしました。マヤト様でしたか」

「女王は何処にいる?」

「先程、城内を見て回ると言って出ていかれましたよ。一度襲われた為、2人ほどの兵を連れていくとも言っていました」


 護衛がついているのならばひとまずは安心だろう。俺たちは俺たちで、城内の捜査を始めようか。

 だが、このままの姿でうろつくわけにもいかない。何か変装用の道具を……だが、変装したところで、あの頭の可笑しい王国騎士長などには見つかってしまうからな。


 ………………。


 少し待て、今回の件の容疑者として、最も適任の人物がいるじゃないか。

 何故こんな人物が頭から抜け出ていたのだ。

 いや、理由は明確だ。動機がわからないんだ。


 とは言え、動機以外の条件はいくつか当てはまっている。


「犯人の候補が見つかったのかも知れない」

「え? 何がどうして、急に……こんな何もない、パッとしないところで思い出させないでよ」

「そうだな……あまりにドラマ性に欠ける。ただ、この城で捜査をしていた時のことを思い出したんだ」

「この城でって……通りを救う為の手がかりを探していた時の話?」

「あの時、俺はある人物と出会った。そいつは魔法を封じる力を持っている為、パンプキンに勝利することも無理な話ではないはずだ。何よりも通信が行えない理由にも繋がる」

「その人は偉い人か何かなの? 兵士を動かせるって相当な権力がないと」

「そう、勿論それに該当する、ある意味、兵士の最も上の立場にいるもの……王国騎士長だ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ