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第四十四話②

「これは何というか……ダメだな。見つかりそうにない」

「「ダメだな」って何よ。見つからないからって、諦めるわけにもいかないでしょ?」

「それもそうなのだが、ここまで探しても見つからないという事は、国外……もしくは、城内にいるとしか考えられないと思ってな」

「城内って……やっぱり王様が犯人だって思ってるの?」

「そういったわけでもない。犯人は依然として分からないが、兎に角ここまで探しても見つからないなら、馬鹿みたいに広いこの城の中にいるとしか、考えられないんだ」


 街の人々は、あらゆる公共施設や、一般人宅の家にまで押し入って、パンプキンを探してくれている。

 だがそれでも見つからないという事は、街の人々が探すことの出来ていない、城の中にいるとしか考えられなくなっているのだ。


 だが仮に、もしも本当に城の中にいるとしたら、アカリの言う通り、国王を疑わざるを得なくなってしまう。

 だが今回の件では、国王が犯人である確率は限りなく低いと思ってならない。


 あの馬鹿な国王が、俺たちをここまで出し抜けるとは、到底思えないのだ。


「ひとまず女王に連絡を取ってみるとしよう。現状を報告して、可能なら俺たちで城の中を探すんだ」


 俺は直様女王に連絡をかけた。

 直ぐに連絡に出た女王だったが、何処か呼吸が荒く、慌てた様子で話しをしており、通話越しでも動揺が伝わってきたのだ。


「どうした? 何かあったのか?」

「えー……はい。先程一部の兵士が城内で騒ぎを起こしまして、それの対処をしておりました」

「それの対処? 女王であるお前が、戦闘に参加したのか?」

「いえ、私は突然剣を持った兵士に襲われまして、何とか逃げている最中に他の兵士の方に助けていただきました。対処というのは、その者の事情聴取です」

「…事情を話したのか?」

「いえ、それが……何処か怯えた様子を見せていまして、一向に話をしたがらないどころか、自らの舌を噛みちぎろうとした為、途中で話は切り上げました」


 事情聴取をしたという事は、その兵士も今回の件に関わっていると女王は睨んだのだろう。

 俺が見た兵士の様子とその兵士の様子も、話を聞く限り何処か一致している。

 その為女王の推測どうり、その兵士も今回の件に関わっていると思うのは共感するが、口をわらないとなると、どうする事もできない。


 ただ、兎に角今は城へ急いだ方が良さそうだ。

 女王まで狙われ始めたのだ。それもやはり城内で……やはりそこに犯人はいるのかも知れない。

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