第四十話②
「おい、考えて見れば、お前が俺と一緒にいる理由なんてあったのか? 2人が犯人を見つけるまでは待機なんだぞ」
「そんなわけがないでしょ。街中で、人目について暴れ回るつもり?」
気がついた事を話してみると、それを即座に否定されてしまう。
女王の部屋から出たのち、城を抜けたわけだが、俺たちはこの後どう動くかについての話をしていた。
「今回の作戦は別に、パンプキンの評判を上げるなどといったものはないんだ。暴れ回ったところで、俺の評判が悪くなって終わり、犯人も倒せて無事解決ではないのか?」
「無駄に目立つ必要はないわ。悪名が広まったりしたらどうするの? 案外評判ってものは、国を跨いだりすることもあるんだから」
正直、一理あるなとは思う。悪名や評判といった言い方をしているが、これが指名手配にでもなったら大問題だ。
平凡な旅も、ハーレムを作ることも難しくなってくるだろう。
そう考えれば確かに、なるべく目立つべきではないのかもしれない。
「わかった。ならば、なるべく人目のつかない場所を探すとしようか」
「そうね。この街で、人目がつかないかつ暴れても問題がなさそうな場所を探すわよ」
そういって俺たちは、街をパンプキン通りから離れる様にして歩き始める。
パンプキン通りの街は、お互い何度も見ている為、人目のつかない場所がない事は知っている。
北側にパンプキン通りがあり、東西には観光名所がある。その為俺たちが目指す場所は、自ずと南側になるのだ。
「南側に行くと言ってもかなりの距離ね。決して小さな街でもないんだし」
「それもそうだな。これで何処も目立つ場所だったり、暴れるのに適した場所がないかもしれないと考えると嫌になる」
ぐちぐちと不満を漏らしながら歩いていく。
時間は刻一刻と流れていくが、2人からの連絡は来ない。
それもそうだ。2人なら順調に操作を進める事ができるだろうが、それでもやはり数時間…いや、もしかしたら日を跨いでしまうかもしれない。
「もしも2人から連絡がなければ、この近くの宿で泊まる事になるな」
「それもそうね…見たところ、宿は東側に固まってたみたいだけど大丈夫かしら」




