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第三十九話③

 細い隠し通路を抜けて女王の部屋まで辿り着くと、既に女王は席に座っており、俺が辿り着くなり直ぐに席に座る様に誘導してきた。


「自分の考えが正しいのか確認する為にも、マヤトさんの率直な意見をお聞きしたいです。兵士の件ですが、どう思いますか?」

「どう思うと言われてもな……国王の仕業としか思えない」


 「やはり」と言った顔を女王は浮かべるが、その中には何処か迷いを感じる。


「お前はてっきり、「そう思っていました」といって、直ぐに国王に異議を唱えると思っていたのだが」

「今回はそうも行きません。何故なら、あの人は怪しい動きを見せていない。……あの人が何かをやった様には思えないのです」

「だが、あいつ以外にいるだろうか」

「そこが難しいのです。あの人以外いるとは思えない、それなのに一つとして怪しいところを見せてはいない……どうも不自然なのです」

「けれど、国王様ではないにせよ、誰かが良くない動きを見せているのは事実です。もしかすると、通りを攻める様に動くかもしれません」


 女王との会話の最中、パンプキンがこの部屋に到着して、会話へ参加を始めた。


「パンプキン……何処まで知っている」

「少しですが、会話はお聞きしました。私も城を離れた後に、民衆が兵士たちに不当な扱いを受けているのは確認していますから、不信感を覚えていましたが……国王に怪しい動きがなかったのは驚きです」


 やはりパンプキンも国王を疑っていたみたいで、女王の話を聞いて戸惑いを見せていた。


「国王は今何をしている? 自室に篭り始めたと言っていたが」

「今も尚部屋にいると思います。何かあれば私に知らせる様にと、辺りにいる警備兵に指示を出していますから」


 その警備兵が報告にきていないという事は、まだ国王は動きを見せていない事になる。

 だが、国王が動きを見せていなくても、国王以外の者が犯人だとすれば、今も尚何処かで何かを企んでいるかもしれない。


「ひとまず、アカリをこの場に呼んでいるから、あいつがこの場につき次第、俺は通りへ戻る」

「異変がないのか確認しに行くのですね。私も着いていきます」

「ならば女王、アカリを頼めるか? この部屋で匿っていて欲しいんだが」

「お任せください。アカリさんをこの部屋に匿いつつ、異変がないのか私なりにも調べてみます」


 各々役割の話を終えたところで、ようやくアカリがこの部屋へと辿り着いた。

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