第三十六話③
これでいい具合に、パンプキンは兵士たちへの支持を獲得しただろう。パンプキンの懸命に戦う姿を見て、国民達も心を動かされている筈だ。
つまり作戦は順調と言える。
すると突然城の扉が開いた。何となく嫌な予感がしたが、それは的中して、中から厳重な装備身につけた国王が姿を現したのだ。
「何が助けるじゃ、部外者のお主は引っ込んでおれ!」
兵士たちの感動を一瞬で冷ます様なその台詞に、皆は国王にがっかりとしたかのような視線を向ける。
「お言葉ですが、彼は自らの身を危険に晒しながらも、私たちを手助けしてくれているのです。その様な言い方は、正しいとは思えません」
すると王国騎士長が、国王に対して反論してみせた。
兵士たちは国王相手だからか強く同意を見せないまでも、頷くなどして彼女の意見を肯定した。
面倒な女だが、俺たちにとって都合のいい行いをしてくれた。素直にこのことは感謝しておこう。
国王は皆の態度に腹を立てたのか、何も口にせずに勢いよく窓を閉めて城の中へと入って行った。
最後まで情けない姿を見せているなと思いながら、俺は口を開く。
「あの愚かな国王は後で始末する。だが先ずは、目の前にいるお前達を仕留めるとするぞ」
「先程もおっしゃいましたが、私はこの街を救うつもりなのです。それはつまり、貴方を倒すと言うことに繋がります」
「いいだろう……その言葉、戯言ではない事を証明してみせろ」
パンプキンは皆の方へ勢いよく振り向く。
「ダークは任せて下さい。ただし……貴方達にも力を貸していただきたい」
「元はと言えば俺たちの問題なんだ! 当然手伝うぜ!」
皆は声を上げてこの意見に賛同する。
「ありがとうございます……では、あのドラゴンを食い止めていてほしいのです」
「ド……ドラゴンを……」
その発言を聞いた途端、皆の活気が冷めていくのを感じた。しかしここで、再び王国騎士長が声を上げる。
「何を弱気になっている! 我々は民を守る兵士であるぞ! この男1人に全てを任せるつもりか!」
「そうだ……そうだよ。隣町の…ましてや兵士でもない人間が頑張ってるんだ…やるぞ、やってやる。俺はやっやるぞ!」
「では皆さん……共に悪を倒し、平和を手にしましょう」
兵士達は拳を空高く突き上げて、声を上げる。
ドラゴンの鳴き声をも凌駕する程の迫力に、街全体が揺れている。
そして直ぐに、皆は各々の目的の為に行動を始めたのだ。




