表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

104/231

第三十三話②

「女王様、お初にお目にかかります。私は、通りの長をしている『Mr.パンプキン』と申します。今回は協力を受け入れてくれた事、非常に感謝しております」

「貴方がパンプキンさんですね……こちらから迎えに行くことが出来なくて、申し訳ないです」

「そんな、協力していただくだけでも有難いのです。それ以上は望みません」


 女王の謝罪に、パンプキンはそのように誠意を示した返事をする。


「女王様の体調が治り次第話を始めましょう、どうやら王国は動き始めてるみたいだし」

「アカリさん……それは、何の話ですか?」

「通りでは、幾つかの偵察部隊と兵士が確認されました」

「そいつらを、パンプキンが捕らえてくれていたって訳だ。俺も5人程を相手したが、コイツが相手した数は、その比ではなかったぞ」


 それを聞いた途端、女王様は疲れた顔を浮かべながらも、顔を上げて席に座り直した。

 何やら固く決心したような、鋭い目つきをしている。


「そういう事ならば急がなければなりません。あの方がその偵察部隊や兵士が捕らえられた事を知れば、きっと作戦が失敗した事に腹を立てて、通りを本格的に攻め始める筈です」

「それは止めなくてはいけないな。……だが、肝心の作戦はどうする? 女王頼りで悪いが、何か思いついたのか?」


 すると女王は、途端に思い悩む顔を浮かべてい始める。一体何を悩んでいるというのだろうか。


「少し言いづらい提案になってしまいます。もっと最善の策はあるのでしょう。ですが、それを思いつくにはあまりに時間が足りない」

「何でもいいですよ。私たちは、貴方を攻めたりなんてしません。それにマヤトなら、いくらこき使ってもいいですから」

「いい事など何もないがな……兎に角話してくれ、無理なら無理だとはっきり言うからな」


 女王は固唾を飲みながらも、その作戦について詳しく話し始める。

 それを聞いた皆の反応は統一されていた。


 あまり名案とも言えないし、かと言ってこれを否定する程の変えの案も思いつかない為、皆は何処か複雑な心境を現していた。


「あまり気分がいいものではないが…嫌いな展開ではない。俺は乗ってやってもいいぞ」

「あんたはいいでしょうけどね、正直私は嫌よ。通りに居づらくなるじゃない」

「何だ、お前にとってそれは不利益になるのか?」

「当たり前でしょ! 通りのお菓子が食べれなくなるのよ! 絶対に嫌!」


 アカリははっきりとそう言いきってしまった。

 ならばこの作戦は、俺が中心に立たなくてはならないようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ