第三十二話①
パンプキンは一体何処にいるのかと、辺りを確認しながら通りへと進んでいたのだが、あろう事かそのまま出会わずに森を抜けてしまった。
「入れ違いにでもなったのか?」
俺はそう言って再度森へ視線を向けたが、ここからでは中の様子を見る事は出来そうにない。
また森の中へ入るべきなのだろうか、だが先程戦った兵士以外で、森の中に人の気配などしていただろうか。
そんな事をかんごえたいると、後ろから何やら物音が聞こえてきた。
風などの自然によった生じる音ではなく、明らかに人的なもので、何か重みのある音が聞こえてきたのだ。
振り返ってその場に近づいて行くと、灯りが灯されているパンプキンの家に辿り着いた。
まさか家に帰っているとは思っても見なかったわけだが、一体中で何をしているのだろか。
もしも中で馬鹿のようにくつろいでいたてしたら、力強く叱ってやろうとも考えたが、パンプキンに限ってそれはないだろう。
俺は訳もわからずに扉を開けると、家の中で傷の手当てをしているパンプキンの姿があった。
「……何があったんだパンプキン?」
薄汚れた家の中に入る事には抵抗がある為外でそのように問いかける。
すると俺の声を聞いてから、ようやくパンプキンは俺の存在に気がついたみたいで、少し目を見開いて驚いた様子を見せた。
「すみませんマヤトさん、直ぐに戻ることが出来なくて…わざわざここに戻ってきてくれるとは思っても見ませんでした」
「それはいい。何があったのかと聞いているんだ」
「…離れる前に話した通り、偵察部隊を捕らえていました。ただ予想外だったのは、偵察部隊とは別に、幾つか兵士たちを起こり込まれていた事です」
「……兵士が? …一体何故?」
「通りのものたちを何人か捕らえて、人質にでもするつもりだったのでしょう。勿論阻止しましたが……危なかった」
まさかそこまで野蛮な手口を使うとは思っても見なかったが、あの馬鹿な国王の事を考えてみると、別にそのような行動を起こしてもおかしくない気がし始めた。
それにしても気に入らない行為だな。あの国王には何かしらのお仕置きしてやらねばならない。
そして驚きなのはパンプキンの怪我についてだ。
パンプキンは痛みを堪えるようにしながら、腕や足に包帯を巻き付けている。
コイツは決して戦闘において弱いわけではないはずだ。
それなのにこれ程の怪我を負ってしまうとは、一体どれ程の数をコイツは相手にしたと言うのだろうか。