8.舞踏会、一週間前
【そんな上から目線のことを言ったらダメよ!】
「一週間後、王城で王子が主催の舞踏会が開かれるんだ。
君たちも行くかい?」
ある日の夕食で、父は私達にそう言った。
「本当ですの、お父様!!」
「王子…って、美しい顔立ちをしていることで有名な方ですよね。是非お会いしてみたいわ。」
「ティルア、程々にね。」
「もちろんです。」
継母と義妹はノリノリだ。
「エラはどうする?」
今回は私とエレンが招待されているらしい。
未婚の令嬢を招待─ということは、王子とのお見合いも兼ねているのかもしれない。
まぁ、正直、そっちはどうでもいい。
でも
「お父様、私も参加したいです。」
私はそう言う。
「いいの? エラ。
また嫌な思いをするかもしれないのよ。」
継母が心配そうに言う。
10歳のときに一度だけ、パーティーに参加したことがある。その時は周りから向けられる平民に対する視線や陰口が辛くて、逃げ出してしまった。それ以来、私はパーティーに参加していない。
継母はそのことを言っているのだろう。
微塵も心配してないくせに、ホント、演技がお上手なんだから。
「はい。いつまでも逃げるのは良くないと思いますから。」
「そうか…、辛くなったら、いつでも言うんだよ。」
「はい、お父様。」
「へぇ〜、舞踏会に行くのですか。」
「うん。」
私はあの日拾った子犬─シロを撫でながら頷く。
今は、散歩がてら医療室に寄ってオリナと話している。
ちなみにシロは私の部屋で飼っている。父上が案外簡単に承諾してくれたのだ。
「少し意外ですね。お嬢様はそういうのに興味ないかと思ってました。」
「ええ、本当はないわよ。……、だけど、王子に会って伝えたいことがあってね。」
「王子…って、そう言えば誰ですか? 確か、5人いましたよね。」
「第一王子のリアム王子よ。」
「へー。」
「何よその態度。聞いておいて興味なさそうじゃない。」
「すみません。自分はどの王子にも会ったことがなかったもので。名前を聞いてもピンときませんでした。」
「まぁ、そうだろうね…。」
あ〜、やっぱりオリナと話す方が気が楽。
舞踏会は、面倒だけど…。
「ま、気をつけてくださいね。
奥様方から何か攻撃があるかもしれませんから。」
「え? 何で?」
「貴女が美しいからです。」
「? そうかしら。普通じゃない?」
「踊り子の美しい母親からお生まれになった方が、平凡な顔立ちなわけがないでしょう?
更に、お父様から受け継がれた金のように光るその御髪も、宝石のように輝く緑の瞳もお持ちで…」
「わかった、わかったから。
それ以上言わないで、恥ずかしいから。」
私の反応を見て、オリナは我に返り、顔を少し赤くする。
「す、すみません…。」
どうも、こんにちは。
これはガチでオリナルートあるのでは?っと思ってしまったあぷりこっとです。
まずは、皆さん。先週は投稿できず、すみませんでした!
いつもギリギリに入力しているから、ですね、原因…。突然予定が入ってしまいまして…、き、気をつけます…。
さて、やっと「シンデレラ」っぽくなってきましたね。
舞踏会まで後一週間。今の感じだとエラは難なく参加できそう、ですよね。
ほんと、そうだといいんですけど…。
詳しくは、来週の投稿をご覧ください(笑)。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
また次回、お会いしましょう。
バイバ〜イ!